ウクライナ中銀、政策金利を15.0%に引き下げ

(ウクライナ)

キーウ発

2026年02月03日

ウクライナ国立銀行(NBU、中央銀行)は1月29日に開かれた金融政策決定会合で政策金利を15.5%から15.0%に引き下げることを決定し、30日から適用した。利下げは2024年4月以来となる(2024年5月2日記事参照)。

NBUは政策金利を2025年3月に15.5%に引き上げ、外国為替市場の安定とインフレの抑制を図ってきた(2025年3月17日記事参照)。今回の決定は、インフレ率が2025年5月の15.9%(前年同月比、以下同じ)をピークに、農業収穫高の増加と労賃上昇圧力の緩和などを要因として次第に沈静化し、12月には8.0%と1桁台まで低下したことを踏まえたものだ。NBUは、インフレ率を5%に抑えるという目標を維持しながら、戦時下の経済活動を支えるべく、金融緩和政策にかじを切った。

NBUの見通しによると、電力インフラへの空爆による被害の悪影響はあるものの、今後数年間は電力供給不足の改善、外部物価上昇圧力の軽減、農業収穫高の増加、労働市場環境の改善によりインフレは着実に鈍化していく見込みだ。NBUは、2028年には目標の5%を達成できるとしている。経済面については、収穫増やインフラ復興と防衛産業への投資がさらなる経済回復を支えるとし、NBUは2026年の実質GDPは1.8%成長、2027~2028年には3%から4%に加速すると予測している。

ウクライナの外貨準備高は、ERA枠組み(注)などによるEUや日本からの金融支援により、2026年1月1日現在で573億ドル(輸入5.9カ月分に相当)に達した。5カ月連続の増加を記録している。通貨フリブニャの下落を支えるため毎月20億ドル程度、12月は外貨需要が例年強いため45億ドル弱の為替介入が行われた。フリブニャは12月まで1ドル=42フリブニャ台前半を維持していたが、1月に入って米国のトランプ政権によるベネズエラ侵攻などで有事のドル買いのため、フリブニャ安に転じて1月19日に43.41フリブニャまで下落した。その後ドル買いが収まった結果、2月2日現在42.81フリブニャまで戻している。

(注)G7諸国による、ロシアの凍結資産から得られる収益を原資に、ウクライナの歳入を補填する約500億ドル規模の融資プログラム。

(高野茂)

(ウクライナ)

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