中国、英国と経済連携強化に向け複数のMOUを締結

(中国、英国)

北京発

2026年02月03日

中国政府は英国のキア・スターマー首相の訪中にあわせ、1月28日に王文涛・商務部長とピーター・カイル・ビジネス・通商相の会談、1月29日午前に習近平国家主席とスターマー首相の会談(2026年1月30日記事参照)、1月29日午後に李強首相とスターマー首相が出席する中英企業家委員会(注1)会議の閉幕式を実施した。

中国商務部は中英経済貿易協力の成果として、次の4つの覚書(MOU)を締結したと発表した。

(1)「大市場の共有、中国への輸出」協力に関する覚書

(2)中英サービス貿易協定の実現可能性共同調査開始に関する覚書

(3)2国間サービスパートナーシップ構築に関する覚書

(4)中英経済貿易聯委会(JETCO、注2)業務強化に関する覚書

(1)では、両国は「中国への輸出」協力メカニズムを構築し、英国の中国向け輸出における優良な商品やサービスの持つ潜在力を共同で発掘するとともに、情報共有の強化、促進活動の展開、貿易円滑化のレベル向上を通じて、中英貿易の健全な発展を共に促進するとしている。また、(2)(3)では、サービス貿易協定の締結に向けた実現可能性調査を実施すると同時に、サービス分野における相互補完性とおのおのの強みを最大限発揮するとした。

習国家主席は1月29日の会談で、国連安全保障理事会常任理事国であり世界の主要経済体である中英両国は、世界の平和と安定の維持、両国経済と民生の促進、いずれにおいても対話と協力を強化する必要があると指摘した。また、2026年は中国の第15次5カ年規画の初年度であり、教育、医療、金融、サービス業における互恵協力を拡大し、人工知能、生物科学、新エネルギー、低炭素技術などの分野で共同研究と産業転換を展開することで、共同の発展と繁栄を実現すべきとした。さらに、英国政府、議会、地方各界の中国訪問を歓迎し、中国に対する包括的・客観的で正確な認識を深めてもらうことを狙いに、中国側は英国に対する一方的なビザ免除の実施を積極的に検討するとした。

中国国務院関税税則委員会は1月30日、税委会公告2026年第1号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにて、2月2日からウイスキーに対し5.0%の暫定輸入税率を適用すると発表した(注3)。

(注1)中英企業家委員会(UK-China CEO Council)は両国の金融、エネルギー、自動車、情報・通信、医薬などの各分野の代表企業により組成され、2018年1月に第1回会議が北京市で開催された。

(注2)中英経済貿易聯委会(JETCO、Joint Economic and Trade Committee)は中英両国の経済貿易協力におけるメカニズムとして、複数の専門作業部会を設置している。直近では2025年9月に北京市で第14回会議が開催された。

(注3)対象品目は「中国輸出入税則(2026)」の税則番号22083000としている。なお、当該品目に対しては、2026年1月末時点では最恵国待遇(MFN)税率の10.0%が適用されていた。なお、日本からの輸入は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定税率が適用され、5.5%となっている。

(亀山達也)

(中国、英国)

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