民主同盟(DA)党首のスティーンヘイゼン氏、次期党首選への立候補見送りを表明
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2026年02月05日
南アフリカ共和国においてアフリカ民族会議(ANC)と国民統一政府(GNU)を構成する民主同盟(DA)党首で、農業相のジョン・スティーンヘイゼン氏は2月4日、自身の出身州であるクワズール・ナタール州のダーバンでメディア向け演説を行い、2026年4月に行われる予定の同党首選挙に立候補しないと表明した。同氏は2019年から党首を務めており、3期目を目指すこととなる次期党首選での勝利は確実視されていた(2026年2月4日付「ビジネス・デー」)。
この日の演説でスティーンヘイゼン氏は、自身が党首としてGNUへの参画を決断・実現し、与党として政策実行する立場となったことを奇跡的だとし、「ムーンショット(注1)」と何度も繰り返した。そして、DAが政権運営に加わって以降、南アは正しい方向に向かい始め、経済成長に向けた多くの改善や進展が見られると述べた。また、多くの若手の名前を挙げ、次世代のリーダーとなり得る人材を育ててきたことも自身の成果であると誇った。そして、党首としての自身の仕事はここまでとし、以降は農業相として、南アで流行中の口蹄疫(こうていえき)対策に全力を注ぐことが使命であり、これが党首選に立候補しない理由であると説明した。
しかし、当地の複数報道などではこの演説をそのまま受け止める論調は少ない。DAの資金管理を巡り、同党の元財務責任者で、森林・水産・環境相を務めていたディオン・ジョージ氏とスティーンヘイゼン氏の対立が表面化した。ジョージ氏は公然とスティーンヘイゼン氏の党首再選に反旗を翻すようになったことから、ジョージ氏はシリル・ラマポーザ大統領により森林・水産・環境相を解任され、離党にまで発展した。また、DAの支持母体であるアフリカーナー(注2)の農業事業者が、最近の口蹄疫流行問題への農業省の対応について、不満を募らせていた。こうしたことから、スティーンヘイゼン氏への指導力に対する党内不満、さらにはDA幹部間での意見の相違が「スティーンヘイゼン氏降ろし」につながったとの見方がある。
なお、後任の党首には、現ケープタウン市長のジョールディン・ヒル=ルイス氏が最有力視されるが、当人は前向きではないとの報道もあり、今後の動きが注目される。
(注1)現時点では実現困難だが、達成すれば社会に劇的な変革をもたらす、野心的で壮大な挑戦的目標や計画のこと。月に向かってロケットを打ち上げる、という意味から転じた表現。
(注2)オランダ系移民白人を示す総称。
(的場真太郎)
(南アフリカ共和国)
ビジネス短信 90968b151babc201




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