中国の人型ロボット産業が量産段階に突入、メーカー数140社超

(中国)

上海発

2026年02月03日

中国工業情報化部の張雲明副部長は1月21日、国務院新聞弁公室の記者会見において、2025年に中国国内の人型ロボットメーカーが140社を超え、330機種以上の人型ロボットが発表されたと明らかにした。合わせて同氏は、2025年が業界において「量産元年」と広く認識されていると述べ、技術水準の向上により、人型ロボットが「舞台上でのデモンストレーションや競技イベントでの性能披露」の段階から、「家庭や工場など実利用シーンを想定した量産・応用」段階へと加速度的に転換しているとの認識を示した。

中国政府は過去1年間、「イノベーション駆動、シーン牽引、エコシステム協調」の指針に基づき、北京や上海に「エンボディドAI(人工知能)・人型ロボットイノベーションセンター」を設置。汎用(はんよう)人型ロボットのオープンプラットフォーム化を目指した「青龍」「天工」や、人型ロボット向け基本ソフトウエアである「開物」の開発を進め、基礎ソフト・ハードウエアの整備を加速してきた。

また、70以上の企業・研究機関などが参加する「人型ロボット・エンボディドAI標準化技術委員会」を工業情報化部傘下に設立したほか、研究開発から実証・商用化までを一体的に支援する国家AI応用実証基地の整備を通じ、新製品・新技術の実用化を推進している。

英調査会社オムディア(Omdia)によれば、2025年の世界の人型ロボット出荷台数は1万3,318台と推計され、出荷台数ベースでは中国企業が上位6社を独占し、米国勢を大きく上回った(2026年1月22日記事参照)。

こうした急成長を下支えするのは、政策的支援と民間資本の活発な動きだ。中国政府系機関や研究機関の推計では、エンボディドAI関連産業は高成長分野と位置付けられており、2025年11月27日に開催された国家発展改革委員会の記者会見においては、同産業の市場規模は2030年には1,000億元規模に達するとの市場予測が引用された。こうした高い市場成長性を背景に、関連分野への資金流入も増加している。

今後の重点方針について前述の国務院新聞弁公室の記者会見で張副部長は、人型ロボットをエンボディドAI産業発展の象徴的な切り口と位置付け、関連分野全体の高度化を牽引する考えを強調した。具体的には、「揭榜掛帥(重要課題の公募方式)」による国家科技重大プロジェクトの推進や、国家AI産業投資基金による支援を強化し、また、データセキュリティーや技術倫理に関する管理体制を整備し、安全性を確保した上での高品質な発展を目指す方針を示した。

(伊藤彩菜)

(中国)

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