2025年のEU商用車市場は低調も、電動車はバンやトラックで約7割増加
(EU)
ブリュッセル発
2026年02月04日
欧州自動車工業会(ACEA)は1月29日、2025年のEUの小型商用車(バン)、トラック、バスの新車登録台数(注1)を発表した(プレスリリース
、添付資料表1参照)。
バンの新車登録台数は、前年比8.8%減の144万7,273台だった。燃料タイプ別では、ディーゼル車が最多だが、登録台数は12.8%減の約116万8,600台(構成比80.7%)に減少した。一方、電動車(ECV、注2)は68.0%増の約16万1,700台で、全体に占める割合は5.1ポイント増え、11.2%に拡大した(添付資料表2参照)。
トラックは、前年比6.2%減の30万7,460台だった。燃料タイプ別では、ディーゼル車が圧倒的に多いのは変わらないが(構成比93.2%)、8.0%減の約28万6,600万台だった(添付資料表3参照)。ECVは71.3%増の約1万2,900台だった(構成比4.2%)。ECVのうち、中型トラック(車両総重量3.5以上16トン未満)は87.1%増の約7,900台、大型トラック(同16トン以上)は51.1%増の約5,000台だった。
バスのみが前年を上回り、7.5%増の3万8,238台だった。燃料タイプ別では、ディーゼル車は5.7%増の約2万3,800台で、全体の62.1%を占めた。ECVは38.9%増の約9,100台で、構成比も23.8%に伸ばした(添付資料表4参照)。
電動化は進むも進捗ペースに不安、物流業界も包括的な政策展開を要請
ECVの2025年の登録台数は3車種全てで前年を大きく上回ったが、ACEAは依然としてゆっくりとしたペースでの拡大にとどまっていると指摘し、充電インフラ整備の遅れや車両維持費の高さなどに加え、EUの一貫性のない政策枠組みも理由に挙げた。
欧州委員会は2025年12月16日に発表した自動車産業支援パッケージ(2025年12月25日記事参照)において、2030年の新車のバンからの二酸化炭素(CO2)排出削減目標を50%から40%(2021年比)に引き下げる案など、商用車部門の脱炭素化支援策も打ち出した。一方で、欧州委が財源不足を理由に、大型車用の充電・水素充填(じゅうてん)インフラも含む整備支援策の助成事業の募集を停止したことに対し、ACEAは国際道路輸送連盟(IRU)などと2026年1月19日付声明
で、2026~2027年のゼロエミッション車の普及に影響を与えると強い懸念を示した。
欧州物流貨物協会(CLECAT)も2025年12月17日付のEU政策パッケージに関する声明
において、商用車部門でのゼロエミッション車の普及には、技術中立の担保、電力網整備への投資、充電・充填インフラの整備や財政支援などに優先的に取り組むべきであり、CO2排出基準の見直しを含め、市況を見極めながら、政策を見直すべきと指摘している。
(注1)トラックとバスについては、未公表のブルガリアとマルタを除く25カ国の統計。
(注2)ECV(Electrically Chargeable Vehicle)とは、バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を指す。
(滝澤祥子)
(EU)
ビジネス短信 6b84399bbb006f8e




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