中国出資港湾の監督を巡る裁判、ペルー政府が控訴

(ペルー、中国、米国)

リマ発

2026年02月24日

中国国営の海運大手、中国遠洋海運集団(COSCO)が60%出資するチャンカイ港の運営会社が、民間港湾施設をペルー政府機関が監督することは不当と訴えていた裁判で、ペルー公共交通施設投資監督庁(OSITRÁN)は2月20日、高等裁判所へ控訴したと発表した(OSITRÁNリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

OSITRÁNは控訴した理由として、政府機関による監督、監査などの業務は、ペルーの法的枠組みに基づいて公共的に利用される交通インフラの利用者の利益保護のために行われるものであり、政府機関の監督などを行わないよう命じた第一審判決は技術と法律の両面から分析を行った結果、現在の法的枠組みに矛盾することを挙げている。

さらに類似の事例として、ペルー内陸部の都市プカルパにあるLPO港湾ターミナルも民間港湾施設であるが、政府機関による監督、監査などの業務は行われていることを挙げ、第一審判決内容の矛盾は明らかだとしている。LPO港湾ターミナルは金融、製造、物流など幅広く手掛ける地場系ロメロ・グループの企業によって運営されている。

2月18日には、OSITRÁN、エネルギー・鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)、情報通信民間投資監督庁(OSIPTEL)、衛生事業監督庁(SUNASS)の4機関が、第一審判決への懸念を示す共同声明を発表した。同声明では憲法上の公共サービスの監督機関として、公共の利益、利用者および一般市民の保護のため一層の役割を果たすと述べられており、ペルー政府として全面的に争う姿勢を示している。

今回の裁判はペルー政府が控訴を検討している段階から、米国政府と中国政府が応酬するなど米中関係にも影響を及ぼしている(2026年2月13日記事参照)。

(石田達也)

(ペルー、中国、米国)

ビジネス短信 6a73cb215b7f7bc9