タミル・ナドゥ州に航空・防衛産業クラスターを創出へ

(インド、英国)

チェンナイ発

2026年02月19日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州政府は2月15日、航空・宇宙・消費財、インフラ事業を手掛ける地場エーカスグループとMOU(覚書)を締結し、TN州西部クリシュナギリのシューラギリ地区に航空・防衛産業に特化した産業クラスターを整備することに合意した。今後、エーカスグループは他のパートナー企業とともに400億ルピー(約680億円、1ルピー=約1.7円)を投じ、TN州投資促進公社(SIPCOT)が提供するシューラギリ工業団地フェーズ2に航空防衛産業を集積させる。

このうち、エーカスは単独で190億ルピーを投じ、基幹企業として航空エンジンやシステムなどを生産する。開発面積は250エーカー(約100万平方メートル)で、7,000人の雇用を見込む。TN州政府は優遇措置を提供し、州内の航空産業のサプライチェーン強化を目指す。

写真 スターリンTN州首相との署名式の様子(TN州政府投資誘致機関ガイダンス提供)

スターリンTN州首相との署名式の様子(TN州政府投資誘致機関ガイダンス提供)

クリシュナギリはTN州とカルナータカ州の州都ベンガルールから約70キロ、付近にはバイク生産で国内3位のTVSや商用車大手のアショック・レイランドも拠点を有するホスールがある。最近では、英国のロールス・ロイスと地場ヒンドゥスタン・エアロノーティクス(HAL)の合弁企業であるインターナショナル・エアロスペース・マニュファクチャリング(IAMPL)が、20億ルピーを投じるジェットエンジン製造拠点の拡張計画を発表している(2025年9月22日記事参照)。ホスールやクリシュナギリは、ベンガルールから1~2時間と外国人駐在員などにとっても通勤可能な距離であることから、日系を含む外資系企業からも注目が高まっている。

エーカスグループは、2006年にベンガルールで設立された。インフラ部門では、カルナータカ州ベラガービにインドで初めての航空産業に特化した工業団地を運営しており、米国ボーイング、欧州のエアバスとも取引がある。2025年12月に、インド国立証券取引所(NSE)およびボンベイ証券取引所(BSE)に株式を上場した。

(白石薫)

(インド、英国)

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