華東地域3省の2025年実質GRP成長率が中国全体を上回る

(中国)

上海発

2026年02月17日

中国の華東地域3省(江蘇省、浙江省、安徽省)の各統計局の発表(注1)によると、2025年の3省の域内総生産(GRP)は、江蘇省が前年比5.3%増の14兆2,352億元(約313兆1,744億円、1元=約22円)、浙江省が5.5%増の9兆4,545億元、安徽省が5.5%増の5兆2,989億元だった。いずれも中国全体の実質GDP成長率(5.0%)を上回った(2026年1月20日記事参照)(詳細は添付資料表参照)。上海市の実質GRP成長率は前年比5.4%増だった。華東地域3省1市のGRPは合わせて34兆元超で、中国全体に占める割合は24.7%となった。

年度当初に設定された成長率の目標について、江蘇省は5%以上、浙江省は5.5%前後、安徽省は5.5%以上だった(2025年2月6日記事参照)。各省統計局は2025年の総括や2026年の目標を次のように示した。

江蘇省は、外部環境の変化や内需不振など下押し圧力が続く中でも、科学技術イノベーションの強化や新質生産力の育成などにより経済は全体的に安定しており、質の向上と量的成長が両立したと評価した。一方で、今後解決すべき課題として、消費需要の弱さや企業経営の困難などを挙げた。2026年の目標については、GRP成長率を5%前後、都市部失業率を5%前後、消費者物価指数(CPI)上昇率を2%前後、社会消費品小売総額の成長率を5%前後、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率をGRP成長率と同水準にするとした。2026年の重点項目として、内需拡大と消費活性化、科学技術・産業イノベーションの融合、現代化産業システムの構築、グリーン・低炭素への転換、民生・社会保障の改善などを挙げた。特に、人工知能(AI)などデジタル技術の革新・応用、先進製造業クラスターの育成、文化的・観光ブランドの強化などに重点を置く方針を示した。

浙江省は、2025年の経済は安定的に回復し年度目標を達成したが、技術革新や産業転換、消費・投資の促進、輸出の不確実性、不動産市場の回復で課題が残るとした。2026年の目標については、GRP成長率を5.0~5.5%、都市部失業率を5%以内、CPI上昇率を2%前後、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率を経済成長率と同水準に設定するとした。2026年の重点項目として、買い替え補助金政策など政策資金を活用した市場の信頼回復、民生部門では都市部新規雇用100万人以上、高齢者・児童・障害者などへの支援強化などを挙げた。

安徽省は、2025年のGRP、工業生産増加額、社会消費品小売総額、輸出額の伸びは中国全体の水準を上回ったが、需要不足や固定資産投資の大幅な落ち込み(9.2%減)を課題として挙げた。2026年の目標については、GRP成長率を5.0~5.5%、都市部失業率を5.5%前後、CPI上昇率を2%前後、社会消費品小売総額を4%前後、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率を都市・農村部共に全国平均を上回る目標を設定した。2026年の重点項目として、内需拡大と安定成長への注力、科学技術イノベーションの全面的強化、現代化産業システムの構築加速、改革の深化と内外への全方位開放の拡大などを挙げた。特に、「三地一区」(注2)戦略目標の新たな突破を図り、発展の質の向上を力強く推し進める方針を示した。

(注1)江蘇省は1月19日、浙江省は1月21日、安徽省は1月23日に発表。

(注2)「三地一区」とは、安徽省が掲げる戦略的枠組みであり、「重要な影響力を持つ科学技術イノベーションの発信源」「新興産業の集積地」「改革開放の新たな高地」「経済社会発展の全面的グリーン転換区」の4つの構築を指す。

(龐婷婷)

(中国)

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