米フォード2025年決算、売上高は1%増加もEV戦略後退で大幅な損失を計上
(米国)
シカゴ発
2026年02月17日
米自動車メーカーのフォードは2月10日、2025年第4四半期(10~12月)および2025年通期の決算を発表
した。
第4四半期の売上高は前年同期比5%減の459億ドル、調整後の利払い前・税引き前利益(EBIT)は1.1%減の10億ドル、株主に帰属する純損益は129億ドル減の110億ドルの赤字となった。同社の四半期業績は2024年以来初の予想未達を記録し、4年間で最大の四半期利益未達となった(CNBC2月11日)。
主な要因として、同社は自動車部品の関税の税額控除が予想より遅く適用されたことによる約10億ドルの予期せぬ関税コストを挙げている(同社への適用は11月)。また、同社のシェリー・ハウス最高財務責任者(CFO)は、予想を下回る利益は、2025年9月から11月に発生したニューヨーク州のアルミニウム製造のノベリスの工場火災による影響も関係していると述べた。ノベリスはフォードの主要車種であるFシリーズ・ピックアップトラック用にアルミニウムを供給している。ハウスCFOによると、同工場の再稼働は2026年5月から9月の間になるとみられ、それまでの間のアルミニウム供給継続に伴う関税やプレミアム運賃が発生する見込みとのことだ。
2025年通期の売上高は前年比1.0%増の1,873億ドルと5年連続での増加となった。調整後EBITは34%減の68億ドル、純株主に帰属する純損益は141億ドル減となり、2008年のリーマン・ショック以来最大の82億ドルの赤字となった。なお、同社は需要の伸び悩みやコスト高によって2025年に電気自動車(EV)戦略を大きく後退させており、電気自動車部門のモデルeブランドの資産価値減損およびEVプログラム中止に伴う特別損失107億ドル、韓国SKオンとのバッテリー合弁ブルーオーバルSKの解消による32億ドル評価損、3列シート大型EVのスポーツ用多目的車(SUV)の開発中止に伴う損失で12億ドルを計上している。今後、高価格帯EV(大型SUV・大型ピックアップ)を縮小、ハイブリッド(HEV)と拡張レンジEV(EREV)に再シフト、低価格帯EVに集中することで、2029年までにEV部門での黒字化を見込むという(2025年12月24日記事参照)。一方、同社は2025年に米国市場でのシェアが前年から0.6%ポイント増加の13.2%に拡大したと発表した。
同社は2026年度通期見通しについて、調整後EBITを80億~100億ドル、調整後フリーキャッシュフローを50億~60億ドル、資本支出を95億~105億ドル(フォード・エナジーの立ち上げ開始に約15億ドルを含む)と予測している。また、全米の新車販売台数は1,600万~1,650万台となると見込んでいる。
(星野香織)
(米国)
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