米カード大手、富裕層の堅調な消費を追い風に増収を維持、2025年10~12月期
(米国)
ニューヨーク発
2026年02月02日
米国の大手クレジットカード各社が2025年10~12月期の決算を発表した。決算報告からは、富裕層を中心とした高級品消費が顕著であることが示された。ただし、米国全体では中低所得層は物価上昇による圧力を引き続き受けており、生活必需品への支出を優先する買い控え姿勢が顕著だ(2026年1月20日記事参照)。
アメリカン・エキスプレスが1月30日に2025年10~12月の決算報告を発表した。売上高は前年比10%増の189億8,000万ドルと過去最高を更新し、ウォール街の予想をわずかに上回った。
主な増収要因は、富裕層による体験や贅沢(ぜいたく)品への支出が活発で、レストランでの支出が9%増、高級品を含む小売りが10%増と堅調に推移した。また、同社のビジネスでは、ミレニアル世代(1981~1996年生まれ)やZ世代(1997~2012年生まれ)の存在感が増している。新規プラチナカード会員の平均年齢は33歳とミレニアル世代が中核となったほか、両世代の合計支出額は、これまで最大の支出層だったジェネレーションX世代(1965~1980年生まれ)を今季初めて上回った。
一方、営業利益は同10%増の145億ドルになり、主にカード会員の支出増加に伴う還元費用(ポイント付与など)の増大や、米国でのプラチナカードの展開に伴う顧客向けサービスへの投資が主な要因だった。なお、2026年度の通期見通しは、売上高成長率が前年比9~10%の増収を見込んでおり、EPS(1株当たり純利益)を17.30~17.90ドルとし、市場予想の平均を上回る強気な予測を示した。
マスター、ビザも10%増を超える売上高
また、マスターカードの売上高は、前年同期比18%増の88億ドルと市場予想を上回る好調な結果となった。純利益も約41億ドル程度に達し、海外旅行需要に伴う越境取引量の増加や、付加価値サービス事業の成長が業績を牽引した。2026年度通期の見通しでは、売上高が2桁台前半の成長を見込む一方で、全従業員の約4%を対象とする人員削減を含む、約2億ドルの再編費用を計上する計画も明らかにした。
ビザの売上高は前年同期比15%増の109億ドルと市場予想を上回り、旺盛な個人消費と海外旅行の回復に伴う越境取引量の拡大(12%増)が業績を力強く牽引した。特に、底堅い個人消費や好調な年末商戦に加え、付加価値サービス、さらには商用決済や送金ソリューション分野の継続的な伸長が牽引役となった。同社は2025年10月時点で、2026年度通期の純収益について、10%台前半の成長率を見込んでいると発表した。
(樫葉さくら)
(米国)
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