米アマゾン、年間売上高で米国首位に、初めてウォルマート上回る見通し

(米国)

ニューヨーク発

2026年02月26日

米国EC(電子商取引)最大手アマゾンが売上高ベースでみると米国最大の企業になったと、「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙(2月19日)など複数のメディアが報じた。アマゾンは2月5日に、2025年度(1~12月)の通期売上高を7,169億ドルと発表した。これは、ウォルマート(7,132億ドル)を上回り、フォーチュン誌の「Fortune 500(2026年版)」ランキング(注)では、アマゾンが初めて首位になる見通しだ。

アマゾンがウォルマートを上回った要因は、クラウドや広告といったデジタルサービスの売り上げが小売り以上に伸びたことによるところが大きい。1994年に書店として創業したアマゾンは、今やクラウド部門のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)だけで約1,290億ドルの売り上げを誇る企業へと進化し、世界中の政府や企業にコンピューティング、ストレージ、人工知能(AI)の幅広いネットワークを提供する重要な収益源となっている。広告事業や有料会員制プログラム「アマゾン・プライム」会費も総額1,000億ドルを突破した。2025年度のアマゾンの売上高は、依然として物販(オンライン・実店舗・出品サービス)が4,640億ドルと大きなシェアを占めているものの、デジタルサービスに重点を置いた戦略が功を奏した。

なお、アマゾンは総売上高で全米首位となったものの、小売単体の売上高では依然として、ウォルマートを下回っている。調査会社コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(CIRP)のアナリスト、マイケル・レビン氏は、(AWSや広告といった)小売り以外の事業収益を除いた場合、アマゾンが小売業のトップと主張するのは難しいだろうと指摘する。同氏によれば、小売部門でアマゾンがウォルマートを追い抜くのは、当面先か、その実現性自体も不透明であると分析している。

デジタル変革を進めるウォルマート

他方、2026年は2位となる見通しのウォルマートだが、こちらもアマゾンとは異なるかたちで「テクノロジー企業」への転換を進めている。物販を主軸とする小売業という位置付けは維持しながらも、AIや自動化、ECといった先端技術を積極的に活用しながら、高度な需要予測や消費者の利便性向上などを実現することで、高所得者層を含む消費者への訴求力の高いビジネスモデル構築を目指している。市場からの評価も高く、2026年2月には小売業初の時価総額1兆ドルを達成した。また2025年12月には、上場先をニューヨーク証券取引所からナスダックへと移行しており、テック主導の姿勢をより鮮明に打ち出した(2026年2月4日記事参照)。

(注)フォーチュン誌「Fortune 500」ランキング(2026年版)は2026年6月上旬に公開予定だが、同誌編集部はすでにこの逆転を事実として認めている。これまで、ウォルマートが2013年から13年連続で1位を守っていた。

(樫葉さくら)

(米国)

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