メキシコの外国人観光客数、2025年は過去最高の4,779万人に
(メキシコ)
メキシコ発
2026年02月20日
メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は2月12日、2025年通年の外国人観光客数が前年比6.1%増の4,779万人に達し、過去最高を更新したと発表した(注1)。また、日帰り客を含む訪問者総数は9,820万人(前年比13.6%増)と1億人に迫る勢いを見せ、同様に過去最高だった。宿泊旅行客による総支出額も好調で、2025年は前年比4.9%増の317億1,500万ドルを記録した(注2)。
客数と総支出額が増加した一方で、観光客1人当たりの平均支出額は約664ドルにとどまり前年より約8ドル減少(前年比1.2%減)したほか、滞在日数が長く高額消費が見込める空路での入国者数が、前年比1.3%減とマイナスに転じた。全体数の伸びを牽引したのは、主に陸路で国境を越える観光客だ。そうした層は空路の観光客に比べて相対的に消費単価が低い傾向にあるため、全体の平均額が押し下げられている。全国観光企業評議会(CNET)のアントニオ・コシオ・パンド会長は、この傾向について「観光客数は増えたが、本来のメキシコのポテンシャルにはまだ達していない」と指摘する。また、伸び悩みの背景には、ドミニカ共和国やジャマイカ、ペルーといった他国との観光誘致競争や、依然として根強いメキシコにおける治安への懸念があると分析されている(「エル・フィナンシエロ」紙2月12日付)。
こうした結果を受け、ホセフィーナ・ロドリゲス・サモラ観光相は2026年2月13日、2025年がメキシコ観光にとって「歴史的な年」になったと評価した。同氏は、シェインバウム政権が経済開発計画「プラン・メキシコ」で掲げる「2030年までに世界5位の観光大国」の目標に向けて、順調な進捗を示しているとした。政府は、2026年6~7月に米国・カナダと共催するサッカー・ワールドカップをさらなる飛躍の好機と捉えている。大会期間中はメキシコに約550万人の来訪と10億ドル超の経済効果が見込まれており、ロドリゲス観光相は「2026年には、競争力のある観光セクターがより強固に確立され、さらなる成長のための堅固な基盤が築かれるだろう」と強調した。
(注1)外国人観光客数は、宿泊を伴う観光客を指し、国境を超える日帰り客やクルーズ船で寄港する観光客を含まない。2024年のメキシコの外国人観光客数は4,500万人で世界6位だった(2025年6月19日記事参照)。
(注2)訪問者全体(日帰り客を含む)の総支出額は、前年比6.2%増の349億9,200万ドル。
(深澤竜太)
(メキシコ)
ビジネス短信 50bb7a5b9f9e2311






閉じる