サウジアラビアEVブランドのCEER、37億リヤル超のMOU締結、2034年までに45%の国内調達を目指す

(サウジアラビア)

リヤド発

2026年02月12日

サウジアラビアの首都リヤドで2月9日に開催された、第4回サウジアラビア公共投資基金(PIF)民間セクターフォーラムにおいて、同国初の電気自動車(EV)ブランドである「CEER」(2022年11月7日記事参照)は、総額37億リヤル(約1,517億円、1リヤル=約41円)を超える16件の覚書(MOU)を締結したと発表した(2月9日付CEERプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

同発表によると、CEERは2034年までに車両部材およびコンポーネントの45%を国内調達することを目標としており、今回の商業契約はその実現に向けた重要な前進となった。これにより、今後5年間で市場投入を予定する7車種に対応した堅牢(けんろう)なサプライチェーン構築の基盤が強化され、先端化学素材から大型鋼製ボディショップ設備に至るまで、幅広い重要部品の国内調達体制の整備が後押しされるという。

ジェームズ・デルーカ最高経営責任者(CEO)は、「当社は組み立てにとどまらず、国内原材料の活用や国内企業のグローバルサプライヤー化を推進することで、『サウジ・ビジョン2030』が掲げる国内自動車産業の多角化と持続的な経済成長に直接貢献していく。今回の契約は、同国に包括的な自動車エコシステムを構築する上での大きな一歩となる。国内資源の活用、先端技術や海外投資の誘致、大型かつ労働集約的なコンポーネントの国内生産を通じて、二酸化炭素排出量の削減や質の高い雇用創出に寄与する」と述べた。

今回の契約には、ウォッシャー液、EV用クーラント(注1)、ブレーキフルード(注2)、空力部品(注3)、フロントエンドモジュール(注4)、PP樹脂・ポリマー化合物、化学部材、自動車用ガラス、ボディショップ設備、エンジニアリングサービスなど、多様な部品・設備の供給が含まれる。また、EPP(発泡ポリプロピレン)、HVAC(注5)、ウインドーレギュレーター(注6)、ドアヒンジ(蝶番:ちょうつがい)の国産化に向けた協議も進められている。

CEERは、2034年までに同国のGDPに300億リヤル以上を貢献し、総額約790億リヤルの経済効果を生み出すと見込まれている。また、約3万人の直接・間接雇用を創出するとされており、国家経済の変革と「サウジ・ビジョン2030」が掲げる産業多角化目標への貢献を強調している。

(注1)EVのバッテリー、モーター、インバーターなどの発熱部品を冷却し、適切な温度に保つための専用冷却液。

(注2)自動車の油圧式ブレーキシステムに使用される作動油。

(注3)車両の空気抵抗を最適化するために設計された外装コンポーネントの総称。

(注4)車体前方に配置されるラジエーター・ランプ・ボンネットなどの各パーツを樹脂フレームで一括構成したもの。

(注5)「Heating, Ventilation,and Air Conditioning」(暖房・換気・空調)の略。車両の温度調整・空気循環・空気質管理を行うシステム全体を指す。

(注6)自動車ドア内部でパワーウインドーモーターの回転力を伝え、ガラスをスムーズに上下させる駆動・支持装置。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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