米GMの2025年決算、関税コストが31億ドルに、第4四半期はEV戦略見直しで33億ドルの赤字

(米国)

ニューヨーク発

2026年02月16日

米国ゼネラルモーターズ(GM)は1月27日、2025年第4四半期(10~12月)および2025年通期の決算を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。第4四半期の売上高は前年同期比5.1%減の453億ドル、調整後の利払い前・税引き前利益(EBIT)は13.3%増の28億ドルとなった。一方、株主に帰属する純損益は33億ドルの赤字だった。

電気自動車(EV)需要の減少に対応するための生産能力や投資の再調整、および消費者へのインセンティブの終了や排出ガス規制の厳格化の緩和といった米国政府の政策変更に対応するための費用として72億ドルの特別損失を計上したことが主な要因。特別損失の内訳としては、電動商用車「ブライトドロップ」の生産中止などに伴う減損18億ドルや、サプライヤーとの契約解消、和解に伴う支出42億ドルなどが含まれる。

2025年通期の売上高は前年比1.3%減の1,850億ドル、調整後EBITは14.6%減の127億ドル、株主に帰属する純利益は55.1%減の27億ドルとなった。地域別では、北米事業(GMNA)において、追加関税にかかるコスト増や保証関連費用(注1)の増加などが影響し、調整後EBITは前年比28.1%減の105億ドルとなった。一方、北米以外の事業(GMI)では、中国合弁会社の事業再編などが押し上げ4億ドルの増益となり、調整後EBITは7億ドルとなった。なお、全世界における関税コストは31億ドル、保証関連費用は13億ドル発生した。

2026年の見通しに関しては、関税コストとして2025年を上回る30億~40億ドルを見込むほか、米国への生産拠点の移管やサプライチェーンへの投資、ソフトウエア関連の支出などにより10億~15億ドルの追加コストが発生するとしている。一方で、北米におけるガソリン車販売台数の増加や、EV生産能力の適正化による損失改善、保証費用の減少、自動車規制クレジット関連費用(注2)の低下などが押し上げ要因となり、調整後EBITは前年を上回る130億~150億ドル、株主に帰属する純利益は103億~117億ドルに達するとの見通しを示した。もっとも、関税コストの増加が引き続き収益を圧迫する可能性があり、今後の生産体制や価格戦略の動向が注目される。

メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は株主向け書簡の中で、「生産拠点の国内拡大を継続させ、今後数年間で年間生産台数200万台(注3)に達成する」との見込みを示した。また、「すでにGMが獲得したEV顧客がガソリン車へ戻る例は少ないことから、EV関連コストの削減計画を継続する。EVの収益性確保に向けた道筋に自信を持っている」と述べ、EV事業を継続する姿勢を示した。

(注1)通常リコールへの対応コストなどを含む。

(注2)燃費・排ガス基準などに基づき自動車メーカーに付与されるもので、基準値未達の場合は他社からクレジット購入して達成することが可能だが、2025年12月に運輸省が発表した企業間平均燃費基準の規則案では、クレジットの取引を禁止する内容が盛り込まれた(2025年12月8日記事参照)。

(注3)オートモーティブニュースデータセンターの調べによると、GMの2025年米国生産台数は168万台。

(大原典子)

(米国)

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