ジェトロが新首都ヌサンタラ(IKN)にミッションを派遣、新首都庁と意見交換を実施
(インドネシア、日本)
ジャカルタ発
2026年02月19日
ジェトロは1月28日から30日まで、新首都ヌサンタラ(IKN)への視察ミッションを派遣した。ミッションには、インドネシア進出日系企業および公的機関を中心に34社・8機関、計60人が参加した。本ミッションは、1月23日に実施したセミナーに続く企画で(2026年2月19日記事参照)、公務員向け住宅施設、セパク・スモイ・ダム、廃棄物処理施設、IKN近郊の新空港を視察し、新首都庁との意見交換を行った。インドネシア政府は独立100周年となる2045年までの首都移転を見据え、2022年からIKN開発を進めている。2025年に第2フェーズへ移行し、立法・司法地区の建設が進む。同年6月30日には、2028年までに首都機能を移転する大統領令2025年第79号が公布された。
公務員向け住宅施設は、47棟が完成し、3人が居住可能なユニットが約2,800戸整備されている。2026年内には約4,000人の公務員が移住する計画だ(2026年1月30日付「ジャカルタ・グローブ」)。現時点では約1,000人が居住しており、将来的に家賃が設定される可能性はあるものの、現在は無償で提供されている。都市内ではEV(電気自動車)バスが10~20分間隔で運行され、職員はこれを利用して通勤している。
(左)公務員住宅施設の外観、(右)公務員住宅施設の内部(ともにジェトロ撮影)
セパク・スモイ・ダムは、総貯水量1,617万立方メートル、湛水面積322ヘクタールで、毎秒2,500リットルの供給能力を有する。今後は、IKNへ毎秒1,500リットル、バリクパパン市へ毎秒1,000リットルを供給する予定。廃棄物処理施設は1日70トンの処理能力を持つが、現状は1日7トンにとどまる。焼却施設には出力500キロワットのタービンを備え、将来的には焼却熱を利用した発電や、焼却灰の建材の活用が予定されている。
(左)セパク・スモイ・ダム、(右)ごみ処理施設(ともにジェトロ撮影)
新空港は、大統領・副大統領などのVVIPや大臣級VIPを対象に運用されている。滑走路は約3,000メートルで、ナローボディ機であれば9機、ワイドボディ機であれば5機が駐機可能だ。ターミナルはVVIP用とVIP用に分かれ、合計で1回あたり約400人に対応できる。現状は大統領令2023年第31号によりVVIP専用だが、検疫や出入国管理など、将来的な商業運用を見据えた準備が進められている。新空港とIKNを結ぶ高速道路が整備されれば所要時間は車で約20分となり、現状のバリクパパン市からの約2時間と比べ大幅な時間短縮が見込まれる。
新空港の外観(ジェトロ撮影)
新首都庁との意見交換では、バスキ・ハディムルヨノ新首都庁長官が、日本に特に期待する投資分野としてスマートシティ関連を挙げた。また、「政治機能はIKN、経済機能はジャカルタ」といった機能分担の可能性について質問に対し、バスキ長官は大統領令2025年第79号に基づき、2028年までにIKNが国家首都となると説明し、首都機能が分割されることはないとの見解を示した。
新首都庁との意見交換(左側前列中央がバスキ・ハディムルヨノ新首都庁長官)(ジェトロ撮影)
(山田研司)
(インドネシア、日本)
ビジネス短信 34f9502dc3b44044






閉じる