インドネシアの新首都ヌサンタラ(IKN)ビジネスセミナーを開催

(インドネシア)

ジャカルタ発

2026年02月19日

ジェトロは2026年1月23日、国際協力機構(JICA)インドネシア事務所と共催で、インドネシアの新首都ヌサンタラ(IKN)および周辺都市の開発状況に関するビジネスセミナーを開催した。セミナーでは、JICA専門家チームが、IKN開発の最新状況や、JICAが支援する「新首都圏3都市開発計画策定プロジェクト」の概要を紹介した(添付資料「インドネシア新首都“ヌサンタラ”及び周辺都市等の開発状況について」参照)。

同セミナーによれば、現在、IKN開発は、2025年4月からフェーズ2に移行しており、政府中枢地区において立法、司法関連の建設が進められている。既に、新首都庁の職員約1,000人が移住しており、都市機能が稼働を開始している。IKN周辺のインフラに関しては、東カリマンタン州の経済拠点であるバリクパパンとIKNを約1時間で結ぶ高速道路が近く開通予定だ。また、VVIP(国家要人用)空港の建設も完了しており、将来的には民間利用への拡大が検討されている。

インドネシア政府は、民間投資に対して、税制や土地使用期間(注1)についての優遇措置を講じており、中国、韓国、フランス、シンガポールなどの企業による投資例が紹介された。(注2)

また、IKN開発は、東カリマンタン州都のサマリンダ市や、産業集積を有するバリクパパン市の開発と連携させ、広域エコシステムを構築する構想となっている。そのため、同セミナーでは、周辺自治体を含む産業クラスター間の連携を通じて、石炭依存型の経済構造から、再生可能エネルギーやアグロ産業、エコツーリズムなどを柱とする持続可能な経済圏へ転換する戦略についても解説がなされた。さらに、IKN周辺都市から日本企業に対して参画が期待される分野として廃棄物処理、防災、グリーン産業などが挙げられていることが共有された。

セミナーは、オンライン形式で開催され、約150人が参加した。質疑では、IKNの法的な枠組みや将来の人口推計の現実性に加え、具体的な民間投資の参画プロセスに関する質問が寄せられた。新政権下でも国家プロジェクトとしてIKN開発が継続される中、周辺都市を巻き込んだ広域開発の動向に対し、日系企業が、引き続き高い関心を寄せていることがうかがわれた。

(注1)インドネシア政府は、国家首都法において土地利用権を最長190年、建築および使用権を160年と設定していたが、2025年11月13日、憲法裁判所はこの設定を違憲と判断し、土地利用権の上限は95年、建築および使用権は80年とした(「ジャカルタ・ポスト」2025年11月19日)。

(注2)IKN開発の入札情報や優遇措置の詳細は、同開発の支援サイト「investara外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」から確認できる。

(高田尚)

(インドネシア)

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