2025年の対シンガポール固定資産投資は前年比5.3%増、中国からの投資が急拡大
(シンガポール)
シンガポール発
2026年02月12日
シンガポール経済開発庁(EDB)は2月9日、同庁が管轄する国内外の企業による2025年の固定資産投資額(FAI、コミットメントベース)が141億5,900万シンガポール・ドル(約1兆7,416億円、Sドル、1Sドル=約123円)と、前年比で5.3%増加したと発表した。
2025年のFAIを国・地域別にみると、欧州が24.9%を占め最大で、中国が20.6%と続いた。中国の割合は、2024年の2.5%から大幅に増加した。2025年の中国からの大型投資案件としては、中国のアリババクラウド(注)が7月に発表した、企業の人工知能(AI)導入と人材育成を支援する「AIグローバル・コンピテンシー・センター(AIGCC)」の開設が挙げられる。また、中国の医薬品受託研究開発製造会社(CRDMO)ウーシー・バイオロジクス(WuXi Biologics)は7月、新しい医薬品製造施設の建設を発表した。同施設は、同社がシンガポールで計画するCRDMOハブの一部となる。
日本からの投資割合も、2024年の3.5%から2025年に11.4%に拡大した。主な投資案件としては、半導体フォトマスク製造会社テクセンドフォトマスク(本社:東京都港区)が2025年10月、新工場を着工した。近鉄エクスプレス(東京都港区)は8月、シンガポール東部にある自社倉庫の建て替え(2027年度完成予定)を発表。さらに、NIPPON EXPRESSホールディングス(東京都千代田区)は11月、西部の自社倉庫の拡張工事を着工するなど、物流関連の拡張投資が相次いだ(2026年2月4日記事参照)。なお、米国の投資割合は2024年に55.5%と最大だったが、2025年に17.3%に縮小した。
分野別では、エレクトロニクスが33.0%と前年に引き続き最大だった。次いで、バイオメディカル(医薬品・医療機器)が30.8%だった。
AIの開発拠点、約60カ所に
EDBは発表の中で、2025年には(1)AI、(2)精密医療、(3)グリーン・脱炭素、(4)量子コンピューティングの検証テスト機器など次世代ハードウエアや自動運転などのモビリティー・関連プロジェクト、といった成長分野で投資誘致が進んだと述べた。同国では2024年以降、AI研究や生成AIソリューションの開発を行う専門施設が60カ所以上設置されたという。
(注)中国の大手EC(電子商取引)アリババ・グループ傘下のクラウドコンピューティングサービス提供会社。
(本田智津絵)
(シンガポール)
ビジネス短信 21e217abdb066e15




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