フランス、2026年予算法が成立、下院が最終審議で不信任動議を否決

(フランス)

パリ発

2026年02月04日

フランスで2026年予算法が2月2日、下院で提出された内閣不信任動議が否決され、成立した。セバスチャン・ルコルニュ首相は1月30日、下院での最終審議において、憲法第49条第3項(49.3条)を適用し、採決を行わずに法案を通した。これに反発し、極左の「不服従のフランス(LFI)」と極右の「国民連合(RN)」がそれぞれ内閣不信任動議を提出したが、予算法案をめぐり政府から一定の譲歩を引き出した社会党が支持を見送ったため、いずれも過半数には届かなかった(2026年1月23日記事参照)。

ルコルニュ首相は、成立後、2026年予算法は「政府単独の案ではなく、すべての政党の修正を取り入れた議会妥協の結果だ」と説明した。財政赤字の目標はGDP比5%に設定され、当初の政府案で掲げていた4.7%から0.3ポイント緩和された。

歳出はGDP比56.6%とし、前年から0.2ポイント(約90億ユーロ)削減する方針を示した。全省庁・政府機関に対して前例のない支出削減を求め、地方自治体にも20億ユーロ程度の削減を求める。一方、内務・司法・国防分野は例外とし、国防省には65億ユーロの予算を充てた。

将来への投資として、環境分野では、住宅の省エネ改築補助金制度「マ・プリム・レノブ」に36億ユーロを充てるほか、産業の脱炭素化に10億ユーロを拠出し、地方自治体による脱炭素化など環境政策を支援する「グリーン基金」の予算を2億ユーロ増額する。また、教育分野では、教員を8,800人増員し、高等教育・研究分野にも2億3,000万ユーロの追加予算を計上する。

企業負担分を含めた租税・社会保障負担はGDP比43.9%と、前年より0.3ポイント上昇する。追加財源は大企業や富裕層向けの増税が柱で、大企業の利益に対する特別拠出金(CEBGE)は2026年も延長され、売上高15億ユーロ以上の約300社を対象に約73億ユーロの税収を見込む。2025年は対象だった中堅企業(ETI)については、2026年は対象外とする。あわせて、実体的な事業を行わず資産を保有するホールディング会社には、非事業用資産の時価に20%課税する新税を導入する。さらに、高所得者向け差額拠出金(CDHR)は財政赤字がGDP比3%を下回るまで継続され、所得税の実効負担率が20%未満となる年収25万ユーロ超(単身)などの世帯に追加課税する。

(山崎あき)

(フランス)

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