米国、政府閉鎖はいったん解除されるも、一部課題は先送り
(米国)
ニューヨーク発
2026年02月04日
米国連邦議会下院は2月3日、2026会計年度(2025年10月~2026年9月)本予算が成立していなかった6分野(注1)についての資金供給パッケージを賛成217、反対214で可決(注2)した。本パッケージは当初、6分野にかかわる本予算を1本のパッケージ(ミニバス)にまとめるかたちで審議されていたものの、移民・関税執行局(ICE)関連予算を含む国土安全分野の予算をめぐる対立から審議が難航し(2026年1月30日記事参照)、国土安全分野を除く5分野については本予算として会計年度末(9月30日)までの、国土安全保障分野については2月13日までの資金供給を認める案に修正
された。本案については、上院では既に1月30日に可決されていることから、下院での可決を受けて、即日ホワイトハウスに送付され、トランプ大統領の署名により成立した。1月31日から開始した政府閉鎖は解除された。
しかし、国土安全分野をめぐる今後の議論は予断を許さない。今回の資金供給パッケージは上院民主党とホワイトハウスを含む共和党側との超党派合意に基づくものだったにもかかわらず、下院において民主党からの賛成が部分的に得られなかったことは、同分野をめぐる反発の強さを物語っている。民主党は、ホワイトハウスに対して、ICEが活動する際のボディカメラの着用やマスク着用の禁止、訓練の受講の義務化などにかかわる規則の制定を求めているが、この交渉が妥結するかどうかは現時点ではわからない。妥結されない場合、2月14日以降、再び一部機関において政府閉鎖が発生する恐れもある。大部分の政府機関には会計年度末までの予算が供給されているとはいえ、対象となる国土安全分野には運輸保安庁(TSA)など旅行に影響し得るものも含まれており、入国手続きの遅延などの影響が発生する可能性もある(注3)。
(注1)国防、金融サービス、国土安全、労働・福祉・教育、国務、運輸・住宅都市開発。
(注2)賛成票の内訳は、共和党196票、民主党21票。反対票の内訳は共和党21票、民主党193票となっている。
(注3)TSAは政府閉鎖中も業務継続の対象となるため、全面的に業務停止となるわけではないが、無給措置が続いたことにより欠勤が増加し、結果として遅延が発生したケースも報告されている。
(加藤翔一)
(米国)
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