2025年第4四半期GDP成長率は前期比年率1.4%、2025年通年では2.2%

(米国)

ニューヨーク発

2026年02月24日

米国商務省が2月20日に発表した2025年第4四半期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比年率1.4%と前期(4.4%)から大きく低下した(添付資料表、図参照)。また、市場予想は2.8%でこれを大きく下回る結果となった。もっとも、今回の押し下げには政府閉鎖に伴う押し下げ効果(2025年11月14日記事参照)が含まれているため、これを除くと基調としては2%台半ば程度の成長が維持されていたとも考えられる。

需要項目別にみると、外需は輸出(0.9%減)、輸入(1.3%減)ともに減少したが、輸入の減少がより大きく寄与した結果、純輸出の寄与(0.1ポイント)はわずかにプラスとなった。

一方の内需は全体としては堅調であり、GDPから純輸出、政府消費(5.1%減、寄与度マイナス0.9ポイント)、在庫投資(寄与度0.2ポイント)を除いた民間国内最終需要(注1)は2.4%増と、前期(2.9%)からの低下幅はGDP全体の動きと比べると限定的だ。ただし、その内容は、強弱がはっきりしたものとなっている。

個人消費支出(PCE)は2.4%増、寄与度1.6ポイントで、前期(3.5%増、寄与度2.3ポイント)から減速した。財部門は、クリーンビーグルへの税額控除が9月末に廃止されたことなどを受けて自動車(消費内寄与度マイナス0.4ポイント)、食料品(マイナス0.1ポイント)、ガソリン(マイナス0.1ポイント)などが押し下げに寄与した結果、前期比年率0.1%減、寄与度0.0ポイントとなった。他方、サービス部門は、ヘルスケアサービス(1.0ポイント)、金融・保険サービス(0.3ポイント)などが堅調で、前期比年率3.4%、寄与度2.2ポイントと前期とほぼ同程度の伸びとなっている。

設備投資(3.7%増、0.5ポイント)は伸びの大半がAI・データセンター投資で、データセンター(設備投資内寄与度0.4ポイント)、情報関連機器(同5.5ポイント)、ソフトウエア(同1.6ポイント)をあわせると設備投資内寄与度は7.6ポイントに達する。上記を除くと構築物、機器ともにマイナスとなっている。

2025年通年での成長率は2.2%となった。前年(2.8%)よりは幾分減速したものの、高所得者層の消費やAI・データセンター投資が牽引するかたちで、関税政策や移民政策、政府閉鎖などさまざまな逆風がみられた中でも潜在成長率(1.8%程度)をやや上回る成長を維持した。2026年も「大きく美しい1つの法案法(OBBBA)」による企業および個人向け減税などに後押しされるかたちで、こうした基本構造を保ちながら2%半ば程度の成長を維持するとの予測が多い。他方で、今回の所得・業種・地域による経済的な分断もはっきりしてきており、これに起因するさまざまなリスク(注2)にも留意しながら米国経済の先行きを見ていく必要があろう。

(注1)家計と企業による国内での最終需要を表すもの。政府支出、在庫投資、純輸出などが除かれており、現在のように政策による一時的な影響が大きい場合には、民間需要の実勢をより正確に反映できる可能性がある。

(注2)例えば、2026年は中間選挙を控えており、アフォーダビリティー(購入し易さ)改善を目的とした市場介入的な政策が志向され、結果的に金融仲介機能や住宅投資などに影響を及ぼすことも考えられる。

(加藤翔一)

(米国)

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