2026年の天然ガス生産は中東で前年比3%増、世界でLNG生産が増加との予測、IEA報告

(中東、カタール、サウジアラビア、イスラエル、イラン、米国、欧州、中国、世界)

調査部中東アフリカ課

2026年01月28日

国際エネルギー機関(IEA)は1月23日、天然ガスに関する報告書「Gas Market Report Q1-2026」に関するプレスリリースを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同報告書によると、世界の天然ガス生産量は、2025年に前年から増加したほか、2026年も液化天然ガス(LNG)生産の拡大などにより増加し、4兆3,780億立方メートルに達するとの予測だ。

なお、報告書では、寒冷や悪天候での天然ガス需要増のほか、地政学的な緊張などが、ガス価格、ガス供給に影響を与えたと指摘した。

中東の天然ガス生産増加

報告書によると、2025年の中東の天然ガス生産量は前年比2.5%増加したとの推計だ。国別ではカタールが前年比4%増、サウジアラビアが6%増と力強い成長をみせた。2025年6月にはイランとイスラエルとの軍事衝突の影響で両国での油田の一時閉鎖などもあり、天然ガス生産はイランではわずかな増加にとどまり、イスラエルは横ばいとの推計だ。

2026年にはカタールが2%増、サウジアラビアでは9%増との予測に加えて、イスラエルでも10%増となり、中東全体で3%増加する見込みだという。地域別にみると、中東は北米、ロシア・CISに次いで、天然ガス生産が多い。

2026年の世界の各地域の天然ガス生産量予測は次のとおり(かっこ内は主要国)。

  • 北米:1兆3,650億立方メートル(うち米国1兆1,150億立方メートル)
  • ロシアCIS:8,650億立方メートル(うちロシア6,870億立方メートル)
  • 中東:7,950億立方メートルアジア大洋州:7,450億立方メートル(うち中国2,740億立方メートル)
  • アフリカ:2,380億立方メートル
  • 欧州:2,150億立方メートル
  • 中南米:1,550億立方メートル

世界および中東のLNG生産も増加

報告書によると、2025年の液化天然ガス(LNG)の生産は世界で約7%(約380億立方メートル)増加しており、特に米国ルイジアナ州でのLNG設備が増加分の約6割を占めるという。IEAは2026年もLNGの供給が7%以上増加すると予測している。2025年に米国では過去最高となる800億立方メートル超の新規液化施設の最終投資決定をしており、米国LNGの世界シェアは2025年の約25%から、2020年代末までに約33%に拡大する見込みだという。中東は2025年にLNG輸出が目立った地域の1つであり、特にカタールではLNG輸出が約5.5%(60億立方メートル)増加した。

なお、EUはロシアからパイプラインによる天然ガス輸入を2021年から2025年にかけて9割減少させており、2027年11月までに廃止すると発表した。一方、中国では、2025年に国内の天然ガス増産と、ロシアからパイプラインでの輸入増により、LNGの輸入が前年比14%減となった。

なお、中東での天然ガス消費は、発電部門での利用により、2025年に2.5%増加、2026年に4%増加する見込みだ。アフリカにおいても2025年の消費量は3%増加の見込みだ(2026年1月27日記事参照)。

(井澤壌士)

(中東、カタール、サウジアラビア、イスラエル、イラン、米国、欧州、中国、世界)

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