2025年の代替燃料車の新車登録台数、内燃機関車を上回る
(オーストリア)
ウィーン発
2026年01月28日
オーストリア統計局は1月14日、2025年の新車登録台数を発表した。乗用車は前年比12.3%増の28万4,978台となり、2020年以降では最高となった。また、初めて代替燃料車〔電気自動車(EV)とハイブリッド車〕のシェア(60.6%)が内燃機関車を上回った。
代替燃料車のうち、ハイブリッド車は38.1%増の11万1,864台(シェア39.3%)と大きく上昇した。EVも35.9%増の6万651台(同21.3%)で顕著な伸びを示した。一方、内燃機関車は総じて減少し、ディーゼル車は25.2%減の3万3,004台、ガソリン車も5.4%減の7万9,457台にとどまった。天然ガス車と燃料電池車の登録はゼロだった(添付資料表1、図参照)。
EVの新車登録台数をメーカー・ブランド別でみると、2024年まで首位だったテスラは前年比19.2%減の6,205台となり3位に後退した。2024年に2位のBMWは6,581台で8.5%減だったが、テスラの落ち込みにより1位に浮上した。一方、フォルクスワーゲン(VW)(6,575台、98.1%増)、シュコダ(6,169台、167.1%増)、アウディ(4,022台、40.6%増)、クプラ(2,698台、39.9%増)などVWグループ各ブランドは軒並み大幅増となった(添付資料表2参照)。
中国のBYD(比亜迪)は37.0%増の5,262台で5位になったものの、他の中国メーカーは依然として存在感が小さい。2025年9月にグラーツのマグナ・シュタイヤーで生産を開始した小鵬汽車(シャオペン)(2025年9月24日記事参照)の年間登録は54台にとどまった。
モデル別でみると、テスラの「Y」は前年比20.6%減の4,342台ながら首位を維持した。2位はシュコダの新型「エルロック」で3,179台、「エンヤク」は29.4%増の2,990台で3位に入った。BYDの「シーライオン」は前年の14台から2,105台で5位に浮上した一方、「シール」は31.2%減となり2位から12位へと順位を落とした(添付資料表3参照)。
ハイブリッド車に関する詳細な統計は公表されていないが、その人気の背景について、オーストリア自動車クラブ(ÖAMTC)のマルティン・グラッスロバー氏は「クリエ」紙(1月15日)に対し「今はハイブリッド化が大きなテーマとなっており、消費者は『それなら安心して選べる』と感じている」とコメント。調査によると、EVの保有台数は2030年までに約80万台、つまり保有割合が15%に増加する可能性があるが、それ以上の普及には現時点では消費者の信頼がまだ不足している」と述べた。
一方、オーストリア自動車輸入協会のギュンター・ケルレ会長は、EVの保有割合が25%まで上昇する可能性があるとの見方を示す。「気候保護目標を達成するためには新車の4台に1台がEVになる必要があるが、2026年にこの数値の達成は現実的だ」と強調した。
コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young,EY)のレポートでは、EV普及に向けた課題としては、(1)航続距離、(2)充電インフラの不足、(3)バッテリーコストの高さの3点が依然として大きいとされている。
(エッカート・デアシュミット)
(オーストリア)
ビジネス短信 f65a262553e3fc1a




閉じる
