日本のオブザーバー参加に強い期待、アンデス共同体事務総長に聞く
(アンデス共同体、ベネズエラ、米国、中国、ボリビア、エクアドル、コロンビア、ペルー)
リマ発
2026年01月23日
アンデス共同体(CAN)のゴンサロ・グティエレス事務総長は1月16日、ジェトロのインタビューに応じ、ベネズエラの将来的なCANへの復帰に必要な条件を明らかにした。また日本に対し、CANのオブザーバー国として参加してほしいと期待を表明した。
現在、ボリビア、エクアドル、コロンビア、ペルーがCANに加盟している。ベネズエラは、CANの前身であるアンデス貿易協定(Pacto Andino)を含め1973年から加盟していたが、2006年に脱退した。コロンビアとペルーが米国と自由貿易協定(FTA)締結の動きを見せる中、当時ベネズエラ大統領だった反米派のウーゴ・チャベス氏は反発していた。
ペルーの首都リマにあるアンデス共同体(CAN)本部ビル(ジェトロ撮影)
トランプ政権がニコラス・マドゥーロ大統領を拘束しベネズエラ情勢が変化する中、ジェトロがベネズエラのCAN復帰の条件を尋ねたところ、グティエレス氏は「ベネズエラのCAN復帰には加盟4カ国の承認が必要となる。個人的には、CANは常にオープンな姿勢であり、加盟国が反対することはないだろうと感じている。前提条件として、ベネズエラが自由貿易を推進する体制を確立することと、政府として復帰の意思を示す必要がある」と述べ、CAN復帰にはベネズエラ政府の貿易政策の方向性がカギとなるとの見方を示した。
また、グティエレス氏は「日本がCANのオブザーバー国として参加することを強く期待している」とし、その背景として「欧州からはスペインとギリシャがオブザーバー国として参加しているが、EUとしては参加していない。米国も参加していない。できれば日本、米国、EU、インドにオブザーバーとして参加してほしいが、特に日本の参加が重要だ。CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)は、米国不在だが日本のイニシアチブでまとめられ、日本は世界の自由貿易推進で重要な役割を担う国だ。CAN加盟国ではペルーがCPTPPに加盟しており、日本がCANに関与することで自由貿易推進の流れが加速する」と述べ、日本のオブザーバー参加の意義を強調した。
オブザーバー参加に費用的な負担はなく、オブザーバーとしてCANの会議に参加できるほか、アンデス地域レベルで国際協力を行うことができる。例えば、トルコはCANを通じてトルコで学ぶ留学生の募集を行い、中国とモロッコは電子版アンデス地域観光ガイドの作成に協力しているという。中国は2025年にアジア地域で唯一のオブザーバー参加国になった(2025年10月6日記事参照)。
日本のオブザーバー参加に期待するグティエレス事務総長(右)(ジェトロ撮影)
(石田達也)
(アンデス共同体、ベネズエラ、米国、中国、ボリビア、エクアドル、コロンビア、ペルー)
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