特定農薬残留物を含む食品の輸入および販売を停止

(フランス、EU、メルコスール)

パリ発

2026年01月20日

フランス政府は、フランス独自の措置として、EUで禁止されている5つの農薬残留物を含む特定の食品の輸入および販売を1月8日から全面的に停止した。2026年1月6日付のアレテ(省令)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)により規定した。政府は、本措置をEU食品法のセーフガード条項に基づき1年間の暫定的措置として実施するとともに、EU域内における同様の措置の導入について、欧州委員会に要請する。

対象となるのは、除草剤(グルホシネート)と4つの殺菌剤〔マンゼブ(マンコゼブ)、チオファネートメチル、カルベンダジム、ベノミル〕を含む特定の果物、野菜、穀物。施行日から1カ月の猶予期間を設け、2月8日以前に輸入した商品は対象外とする。

食品関連事業者は、該当物質の残留物が存在しないことを証明するための分析などにより、規制順守の確保が求められる。適用対象となる果物、野菜、穀物(それぞれ加工品を含む)は添付資料のとおり。

EU域内では生産者が当該物質を自らの作物に使用することが禁止されている一方、輸入品にはその残留が認められているという不均衡を是正し、国民の健康保護の安全対策を強化する。

政府は、1月20日に開催されるEUの「植物、動物、食品および飼料に関する常設委員会(PAFF委員会)」において、欧州委員会および他の加盟国に同措置を提示する予定だ。EUレベルへの拡大は、欧州委員会の決定に委ねられる。政府はまた、EUで使用が禁止されている他の農薬の扱いについても欧州委員会と協議を進めている、としている。

アニー・ジュヌバール農業・農産食品・食料主権相は、「数カ月前から欧州委員会に働きかけてきた。農家と消費者に対する公平性と正義は、先延ばしにはできない。この省令は、理解しがたい『不公平な2つの基準』の状況に終止符を打つものだ。必要であれば、さらに省令を出す。農業界の保護に関して妥協はしない」と述べた。

同省令は、EUとメルコスールの自由貿易協定(FTA)に反対する農家の抗議活動が続く中、調印を目前(2026年1月13日記事参照)に控えて公布された。この公布をめぐっては、農業従事者の怒りを和らげるための措置とみる声がある一方、国境での検査を強化するという政府に対し、税関検査の不備を補うには不十分でその実効性に疑問を呈する意見も散見される。

(奥山直子)

(フランス、EU、メルコスール)

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