米国のベネズエラ介入、ブラジル政界で反応が二分

(ブラジル、ベネズエラ、米国)

サンパウロ発

2026年01月09日

ブラジルの野党主要勢力は、米国トランプ政権が1月3日に実施したベネズエラへの軍事介入により、ニコラス・マドゥーロ大統領およびシリア・フローレス夫人を拘束したことについて、相次いで歓迎の意を表明した。

野党で右派の自由党(PL)(注)のソステネス・カバルカンテ同党下院院内総務は1月3日、自身のX(旧Twitter)で「マドゥーロ氏の拘束は単なる政治的な出来事ではなく、歴史的な節目だ。恐怖より希望が勝った」と投稿した。中道右派で進歩党(PP)のシロ・ノゲイラ党首も同日、Xで「南米は悪夢から目覚め始めつつある」と述べた。また、右派の新たな党(Novo)は1月6日付の声明で、米国の軍事行動を「ボリバル社会主義打倒への重要な一歩」と評価した。

一方、与党陣営である左派の労働者党(PT)、中道左派のブラジル社会党(PSB)、中道左派の持続可能性ネットワーク(Rede)などは1月3日、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領と同様に(2026年1月5日記事参照)、米国の軍事進攻を強く批判した。ただし、PSBの声明では「マドゥーロ政権による人権侵害があったこと」にも言及している。

なお、米国の軍事作戦を非難した野党もみられた。中道のブラジル社会民主党(PSDB)は同日付の声明で、「PSDBは米国によるベネズエラ介入に反対する。主権侵害と武力行使は容認できず、正当化されるべきではない」と表明した。同声明では、マドゥーロ政権を「独裁政権」と位置づけるとともに、「ベネズエラの政治・経済・社会危機が、ブラジルのPT政権によって長年にわたり軽視されてきた」とPT政権のベネズエラ政策に対する批判的な見解も示した。

(注)PLは上院で15議席、下院で88議席を有し、両院で最多議席を持つ政党。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、ベネズエラ、米国)

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