在欧日系企業の事業展開の方向性は「拡大」が「現状維持」を上回り最大、ウクライナへの関心は増加
(欧州、EU、日本、ウクライナ)
調査部欧州課
2026年01月05日
ジェトロが2025年12月17日に発表した「2025年度 海外進出日系企業実態調査(欧州編)」(2025年12月17日記事参照)の調査結果で、今後1~2年の事業展開の方向性について48.9%の企業が「拡大」と回答し、「現状維持」(45.3%)を3.6ポイント上回り最大となった。「拡大」と回答した企業は前年調査から2.7ポイント増となった一方、「現状維持」は前年調査から3.6ポイント減少した。国別では、セルビア、アイルランド、ポルトガルで「拡大」と回答した企業の割合が8割を超えた。拡大する主な理由としては、「輸出の増加」(セルビア、ポルトガル)、「現地市場ニーズの拡大」(アイルランド)、「高付加価値製品の受容性が高い」(ポルトガル)などが選ばれた。また、英国では「拡大」の回答割合が10.2ポイント増加し52.9%となった。
「拡大」と回答した企業に具体的に拡大する機能を聞いたところ、「新規事業開発」は前年から25.7%、「高付加価値品の生産」は14.5%増加した。全業種で「販売機能」と回答した企業は前年同様に最大で、既存ビジネスを維持しつつ、複数の機能を拡大する動きが見られた。業種別にみると、製造業では一貫して「地域統括機能」と回答する企業数が増加傾向で、非製造業では「地域統括機能」を拡大すると回答した企業数は前年調査より8割増となった。国別にみると、「販売機能」と回答した企業の割合が高い上位3カ国はイタリア、ルーマニア、フランスだった。また、生産拡大の方向性については、中・東欧では高付加価値品、汎用(はんよう)品ともに約4分の1の企業が回答したが、西欧は汎用品と回答した企業は10%にも満たず、高付加価値品の回答割合が25.5%と高かった。
ウクライナへの関心は増加
ウクライナ復興支援・ビジネス活動に関心がある企業は前年から12.9ポイント増加の58.9%。西欧は「戦争により途絶えていたビジネスの再開」、中・東欧は「復興支援などの新規ビジネス」への関心が高かった。ビジネス開始時期は、少なくとも戦争終結に関わる合意が必要とする回答が合わせて82.7%を占めるが、戦争終結を待たずにビジネスを開始する企業もあり、中・東欧では23.0%に上った。関心分野としては、中・東欧を中心に「復興に向けたインフラ再整備にともなう投資、関連事業」(39.7%)や「製造業」(33.4%)といった投資に関連する分野への関心が高かった。課題は「安全・リスク管理に関する懸念」が83.1%で前年に続き最大。「邦人のウクライナ渡航に係る制限」や「人材の確保・就労環境・徴兵対象となるウクライナ人の出国に係る制限」といった現地で働く人材に関わる選択肢では、投資関連分野への関心が高い中・東欧での回答割合が比較的高い傾向が見られた。
(齊藤圭)
(欧州、EU、日本、ウクライナ)
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