重慶市、AIプラス製造業促進プランを発表、製造業のAI活用を推進

(中国)

成都発

2026年01月20日

重慶市経済・情報化委員会は2025年12月30日、「重慶市における人工知能(AI)+製造推進のための実施プラン」を発表した。同プランは、中国国務院が8月26日に発表した「人工知能+行動の実施徹底に関する意見」(2025年9月3日記事参照)を踏まえ、実体経済とデジタル経済の融合を深め、製造業におけるAI技術の導入により新型工業化を加速し、新たな質の生産力(注1)を推進することを目的とする。

目標として、AIの革新と製造業への応用を両輪とし、「スマート産業化」と「産業のスマート化」を推進すると掲げた。また、AIにより重慶市「33618」現代製造業クラスター(注2)の高度化を図り、産業のスマート化、グリーン化・融合化による競争力強化を目指す。具体的な目標値として、2027年までに、一定規模以上の工業企業(注3)におけるデジタル研究開発設計ツールの普及率を90%、主要工程の数値制御化率を75%に引き上げるほか、AIの応用シーンを創出し、業界別「産業大脳」(AIプラットフォーム)を30件、未来工場を40拠点、国家レベルのスマート工場を40拠点建設すると打ち出した。

目標達成に向けた重点施策として、(1)超大規模のAI計算基盤の構築や高品質なデータ集約、標準化ツールチェーンの開発といった基盤強化、(2)重慶市「33618」現代製造業クラスターなど重点産業へのAI応用、(3)AIによる設計、試作、製造、マーケティング、運営管理の高度化といった製造業の全プロセスのデジタルスマート化、(4)「産業大脳+未来工場」モデルによるスマート工場の構築や産業スマート化の推進の強化、(5)AI搭載のスマート製品・設備のイノベーション推進、(6)AI企業育成、産学研連携のプラットフォームの整備、AI専門家などの人材育成、AI設備融資やデータを活用した信用強化などの金融支援などを含むエコシステム構築などが盛り込まれた。うち、(2)について各分野に関する施策は次のとおり。

  • スマートコネクテッド新エネルギー車:AIによる車体設計、品質管理、予測保守を高度化し、自動運転支援やスマート物流などスマートモビリティを推進。
  • 次世代電子情報製造業:生成AIやデジタルツイン技術を活用し、部品設計・検証を効率化。柔軟な生産システムを構築。
  • 新材料:AIによる新材料の研究開発予測、工程最適化を加速。
  • スマート製造・装備:AIにより産業用ロボットやグリーンエネルギー設備の性能最適化、予測保守を推進。
  • 食品・農産物加工:生成AIによるレシピ設計、需要予測を実現。「ブロックチェーン+AI」で食品追跡、供給安定を確保。
  • ソフトウエア情報サービス:AIと産業ソフトの融合により、AI統合のスマート開発ツールチェーンを構築。
  • 特色産業、新産業:アパレルの効率的な生産とデザイン、バイオ医薬、低空経済関連産業などでAI活用を拡大。

(注1)技術の革命的なブレークスルー、生産要素のイノベーティブな配置、産業構造の深い転換・レベルアップにより生み出される先進的な生産力とされる。

(注2)スマートコネクテッド新エネルギー車、次世代電子情報製造業、先端材料の3大主導産業、スマート設備・スマート製造、食品・農産品加工、ソフトウエア情報サービスの3大支柱産業、新型ディスプレー、ハイエンドバイク、バイオ医薬など6つの特徴的かつ優位性のある産業、メタバース、医療機器、合成材料、スマートホームなど18の新たな産業を指す。

(注3)年間売上高が2,000万元(約4億5,400万円、1元=約22.7円)以上の工業企業。

(王植一)

(中国)

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