2025年平均CPI上昇率は1.7%、中央銀行の年間目標下限を下回る

(フィリピン)

マニラ発

2026年01月21日

フィリピン統計庁(PSA)は1月6日、2025年の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は、年間平均が1.7%だったと発表した。2024年の3.2%を下回り、2016年の1.3%以来の低水準となった。また、2025年12月のインフレ率は1.8%(前年同月比)で、フィリピン中央銀行(BSP)の年間目標(注)の下限を10カ月連続で下回った(添付資料図参照)。12月は前月(1.5%)から上昇したものの、2024年12月の2.9%より低い水準にとどまった。

12月のインフレ率を項目別でみると、構成比の高い「食品およびノンアルコール飲料」が1.4%、「衣料品および履物」が2.2%だった。PSAのクレア・デニス・マパ長官は、「12月のインフレ率上昇は、クリスマス休暇の影響で特に野菜や小麦粉製品の価格が上昇したことが要因だ」と指摘した。さらに、マパ長官は「11月の大型の台風により、農家が損失を受け価格高騰を引き起こした可能性」に言及した。一方、「2026年1月は価格が再下落する可能性が高い」と強調した(1月7日付「マニラ・タイムズ」紙)。

BSPは、インフレは依然として「穏やかで安定傾向」と見通しており、2026年のインフレ率を3.2%、2027年を3%と予測している。地場のチャイナバンク・リサーチは、「基準となる2025年のインフレ率の低さ、悪天候や地政学的緊張による食料・エネルギー価格の上昇を背景に、2026年のインフレ率は政府目標の範囲内におさまる」と予想した(1月7日付「ビジネス・ワールド」紙)。地場のメトロバンクは、2026年のインフレ率を3.3%の緩やかな上昇と予測した一方、「経済活動の鈍化、投資家心理、輸入商品価格の上昇がインフレリスクを高める」と指摘し、「BSPは年内に計50ベーシスポイント(1bp=0.01%)の追加利下げを行う」と予想した。また、地場のリサール商業銀行(RCBC)チーフエコノミストのマイケル・リカフォート氏は、「インフレ率は2月まで政府目標を下回り、3月までに2~3%に上昇する可能性がある」と予測した。

BSPのエリ・レモロナ総裁は、「2月に追加利下げする可能性は低いが、状況次第では検討の余地がある」とした上で、「2026年のGDP成長率がBSPの見通し(5.4%)を下回る5%未満だった場合、年内に追加利下げの可能性がある」と述べた(1月7日付「ビジネス・ワールド」紙)。BSPは2025年に25bpの利下げを計5回実施し、最終的に政策金利を4.50%とした(2025年12月22日記事参照)。2026年最初の金融政策委員会の定例会合は2月19日に開催予定だ。

(注)フィリピン政府は、2025年のインフレ率目標を2.0~4.0%と定めていた。

(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)

(フィリピン)

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