2025年の物価上昇率は4.26%、2年ぶりに中銀のインフレ目標値内に収まる

(ブラジル)

サンパウロ発

2026年01月16日

ブラジル地理統計院(IBGE)は1月9日、2025年の拡大消費者物価指数(IPCA)上昇率は4.26%だったと発表した(添付資料表参照)。ブラジル中央銀行が定めるインフレ目標(中央値3.00%、許容幅±1.50%)の範囲内に収まった。目標値内に収まったのは2023年以来2年ぶり(注1)。インフレ率は、2018年(3.75%)以来の低水準を記録した。

2025年のIPCA上昇率(直近12カ月累計)は、4月に5.53%の高水準を記録した後、低下基調に転じ、11月には4.46%と目標範囲内に入っていた。

2025年12月単月のIPCA上昇率は前月比0.33%だった。費目別では、住居関連(前月比マイナス0.33%)を除く全項目で上昇した。最も上昇率が高かったのは交通・運輸(0.74%)で、家庭用品(0.64%)、保健・個人衛生品(0.52%)が続いた。住居関連の下落は、電気代の追加料金(注2)が引き下げられたことによるものだ、とIBGEのフェルナンド・ゴンサルベス物価指数アナリストは述べた。

一方、2025年通年では、住居関連(6.79%)が最も上昇率の高い項目だった。次いで上昇率の高い順に、教育(6.22%)、個人的支出(5.87%)、保健・個人衛生品(5.59%)。IBGEによれば、住居関連では、電気代が12.31%上昇し、寄与度は0.48ポイントと最も高かった。5~12月の8カ月間にわたり追加料金が課されたことが押し上げ要因となった(注3)。

現地紙「フォーリャ」(2026年1月9日付)は、2025年のインフレ抑制の要因として、現地通貨レアル高や中銀による政策金利引き上げを挙げた。また、穀物などの豊作に伴い飲食料品の供給が増加し、同品目の上昇率が2.95%(2024年は7.69%)にとどまったこともインフレ鈍化に寄与した。

(注1)目標値3.25%(許容幅±1.50%)に対し、上昇率4.62%で目標範囲内に収まっていた。

(注2)ブラジルでは、電気代の追加料金は水力発電所のダム貯水量や火力発電所の稼働率を基に算定される。追加料金は「緑」「黄色」「赤1」「赤2」の4段階で示される。「緑」は追加料金なし、「黄色」は100キロワット時(kWh)当たり1.89レアル(約55円、1レアル=約29円)、「赤1」は同4.46レアル、「赤2」は同7.88レアルが徴収される。11月に「赤1」だった電気料金は12月には「黄色」に引き下げられた。

(注3)2024年は、電気料金が8カ月間、追加料金なしの「緑」に設定されていた。

(エルナニ・オダ、中山貴弘)

(ブラジル)

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