米商務省、USAレアアースと意向表明書締結、重要鉱物の国内供給網構築を加速

(米国)

ヒューストン発

2026年01月27日

米国商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)CHIPSプログラム局は1月26日、USAレアアース(USA Rare Earth、USAR、本社:オクラホマ州スティルウォーター)と、国内での重要鉱物および永久磁石の一貫生産を加速させるための意向表明書(LOI)を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。CHIPSプラス科学法(CHIPSプラス法)に基づき、最大2億7,700万ドルの補助金と最大13億ドルのシニア担保付き融資を提供する計画で、同社の設備投資額合計約33億ドルを見込むテキサス州とオクラホマ州の2案件に対し支援を行う。

USARは、レアアース含有鉱物の採掘から、酸化物・金属への加工、ネオジム鉄ホウ素(NdFeB)永久磁石の製造までを、一貫して国内で完結できる「マイン・トゥ・マグネット」体制の構築を目指す(注1)。ネオジム磁石はじめ、半導体製造、防衛、エネルギー、先端製造業などに不可欠な重要素材や加工の中国依存低減と、国内サプライチェーンの強化はトランプ政権の重要課題の1つとされる(2025年12月16日記事参照)。

CHIPSプログラム局の支援を受け、同社は採掘権を有するテキサス州ラウンドトップ鉱山で、1日あたり4万トンのレアアース・重要鉱物を含む原料の採掘・処理を目指す。年間では、混合レアアース炭酸塩(MREC)や重レアアース元素(HREEs)、重要鉱物の酸化物・精鉱を合わせて8,000トンを処理し、12種類の重要鉱物・レアアース元素(注2)を2028年から商業生産する予定だ。

また、同社がオクラホマ州スティルウォーターで進めるUSARの先端製造プロジェクトでは、ネオジム磁石の生産能力を年間1万トンに引き上げて従来の計画の2倍超とするとともに、レアアース金属・合金の金属化およびストリップキャストを行う生産能力年間1万トンの設備を敷地内に整備する。

CHIPSプログラム局による助成と同時に、商務省はUSARの普通株約1,610万株と、さらに約1,760万株を追加取得する権利を受け取る予定だ。また、米商務省との連携に加え、米エネルギー省(DOE)の国立エネルギー技術研究所(NETL)は、デジタルツイン技術を活用し、USARのウィートリッジ研究所およびラウンドトップ鉱床における重レアアース分離技術の高度化に向けて、同社と協力するためのLOIを締結した。

(注1)同社は2025年11月に、英国のレス・コモン・メタルズ(LCM)を買収し、金属・合金製造における中国依存からの脱却を目指す。

(注2)イットリウム、ガリウム、ジスプロシウム、テルビウム、ホルミウム、ルテチウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ガドリニウム、ハフニウム、ジルコニウム。

(キリアン知佳)

(米国)

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