ラオス人民革命党第12回全国代表大会閉幕、トンルン書記長が再選

(ラオス)

ビエンチャン発

2026年01月15日

1党制を敷くラオス唯一のラオス人民革命党は1月6~8日にかけて、首都ビエンチャンの国立会議場で第12回全国代表大会(党大会)を開催した。党大会は5年に1度開かれ、今回は全国約42万人の党員を代表する834人の代表が出席し、過去5年間の成果総括と、次期5カ年計画の方針および党の最高指導部人事などが審議・決定された。

最終日の8日、第12期党中央執行委員会による第1回総会が開かれ、トンルン・シースリット氏(現書記長、国家主席)が党書記長に再選された(2021年1月19日記事参照)。同書記長は引き続きラオスの最高指導者として、債務問題やインフレなど経済的難局の打開に取り組む。また、最高意思決定機関である政治局員13人が選出され、新体制が発足した(添付資料表参照)。

写真 首都ビエンチャンの国立会議場(ジェトロ撮影)

首都ビエンチャンの国立会議場(ジェトロ撮影)

経済政策:年6%成長と独立自主経済推進

本大会で承認された「第10期社会経済開発5カ年計画(2026~2030年)」では、年平均6%以上のGDP成長率、1人当たりGDPを3,104ドルとするなど、野心的な目標が掲げられた(注1)。さらに、外国人観光客の受け入れを5年間で2,200万人に増加させる方針を示した。

また、従来の天然資源依存型からの脱却を図り、「独立自主経済(注2)」の構築を加速させるとした。財政規律の徹底も強調され、2030年までに公的債務をGDP比70%未満に削減し、インフレ率を5%未満に抑制することを目指す。

第3次政治綱領:2055年を見据えた長期ビジョン

本大会では、党創設100周年を迎える2055年までを見据えた長期ビジョンである「第3次政治綱領(注3)」が承認された。この綱領には11項目の主要政策が盛り込まれており、経済分野では、(1)社会主義理念に沿いつつ市場経済の発展と多様化を進めること、(2)科学技術の研究・活用による工業化やデジタル化を推進し、生産・サービスセクターを振興すること、(3)気候変動対策を含む環境保護、グリーン経済・循環経済・持続可能性を推進することなどが盛り込まれた。

2026年に後発開発途上国(LDC)からの卒業を控えるラオスにとって、今回の第12回党大会は「資源輸出依存型経済」から脱却し、「独立自主経済」を基盤に高中所得国(注4)への移行を目指すロードマップを提示したものとなった。

(注1)第9期(2021~2025年)の成果として、平均GDP成長率は4.24%(目標4.0%)、1人当たりGDPは2,138ドルと報告された。

(注2)「独立自主経済」とは、トンルン氏が提唱する経済財政分野の指導思想のこと。外資や輸入に過度に依存する経済システムから脱し、天然資源の有効活用や輸入代替、財政管理強化を目指したもの。

(注3)政治綱領とは、党の政治路線や組織方針、国家の発展方向を定める文書のこと。第1次は1955年、第2次は1972年に策定された。

(注4)高中所得国とは、1人当たりアトラスGNIが4,496~1万3,935ドルの国を指す(2026年度世界銀行基準)。ラオスは現在、低中所得国(1,136~4,495ドル)に分類される。

(山田健一郎)

(ラオス)

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