ペルー大統領、米国政府によるベネズエラ大統領拘束への支持を表明

(ペルー、米国、中国、ベネズエラ、チリ、中南米)

リマ発

2026年01月15日

ペルーのホセ・ヘリ大統領は1月11日、米国メディア大手CNNスペイン語放送のインタビューに応じ、米国によるベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領拘束について、米国の対応を全面的に支持する考えを示した。ペルーは歴史的に人権を尊重する国であると前置きした上で、「人権尊重という点で米国政府の対応は一時的に支障があったが、ベネズエラは国民が選んだ人物が元首になる民主主義にたどり着くための過渡期にあり、米国の対応はベネズエラの民主化のために必要な措置だ」と述べた。ペルー政府は、2024年に実施されたベネズエラ大統領選挙で当選したマドゥーロ氏を大統領と認めていない。

また、ヘリ大統領は「ベネズエラの独裁政治は一国の問題ではない。ベネズエラからの移民は大陸全体の問題となっており、ベネズエラの民主化を支援する必要がある」とコメントした。ベネズエラ人の移民先国としては、コロンビアに次いでペルーが多くなっており、治安対策が課題となっている。

米国のドナルド・トランプ大統領が西半球にある諸国に対して、中国と距離を置いたり関係を断ったりすることを求める姿勢を示している中、貿易・投資が増える中国との関係について考え方を問われたヘリ氏は「ペルーは常に通商に関する最良の条件を提示する国であることを、大統領として保証しなければならない。中国は重要な通商上のパートナーであり、米国は長年にわたり戦略的パートナーである」と述べ、米中関係のはざまでバランスに配慮した。

ペルーの報道機関は、ヘリ氏がCNNで米国政府の対応に支持を表明したことを一斉に報じたが、全体的にニュートラルな論調となっている。ペルーでは、ベネズエラの民主化に対する期待が大きいため、国民も冷静に受け止めているようだ(2026年1月6日記事参照)。

ペルー政府は並行して、近隣国とベネズエラ移民対策の協力を模索する。ヘリ氏は2026年3月にチリの大統領に就任予定のホセ・アントニオ・カスト氏と1月7日、ペルーの首都リマで会談を行い、ベネズエラからの移民流入などにより集団犯罪の被害が増加している両国の課題について、共同で移民対策を進めることに合意した。また、国境を越えて活動する違法鉱業への対策でも協力することで一致した。

(石田達也)

(ペルー、米国、中国、ベネズエラ、チリ、中南米)

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