リヤド航空が新ブランド「リヤド・カーゴ」を開始、世界の貨物市場に参入
(サウジアラビア)
リヤド発
2026年01月23日
サウジアラビアの首都リヤドを拠点とする国営の新興航空会社であるリヤド航空は1月21日、新ブランド「リヤド・カーゴ(Riyadh Cargo)」を立ち上げ、航空貨物市場へ参入した(1月21日付リヤド航空ニュースリリース
)。同社のワイドボディ機のベリー(下部貨物室)容量を活用した貨物運航を開始し、発注済み120機超の機材を将来的な輸送力として生かす計画だ。貨物事業は、リヤドをハブとする段階的かつ統合的な成長モデルとして設計されており、ネットワーク拡大と運用の成熟度に合わせて拡張される。
リヤド航空は「パスウェイ・トゥ・パーフェクト(Pathway to Perfect)」戦略(注1)の一環として試験運航を進めており、リヤドと英国ロンドン(ヒースロー)路線(2025年10月10日記事参照)では、衣類・繊維製品、生花、鮮魚、紅茶、コーヒーなど幅広い品目を安定的に輸送。鮮度が重要な生鮮品や高付加価値貨物を確実に取り扱える運用能力を示している。同社の貨物部門責任者プラビン・シン氏は、「運航規律、信頼性、長期的拡張性を重視した取り組み」と述べ、「実運航環境での立ち上げにより、運用方法の学習や継続的な改善と運航開始時点から顧客へ真の価値提供が可能になる」と強調した。
デジタル技術も強化しており、航空貨物運送状(AWB)の集中管理やデータ可視化を通じて、意思決定の迅速化とサービス水準の維持を図る。ルクセンブルク企業・航空貨物に特化したITソリューションプロバイダーCHAMP Cargosystems(注2)と、次世代貨物管理プラットフォーム「カーゴスポット・ネオ(Cargospot neo)」を採用し、運用統制・データ可視化・迅速な意思決定を支える仕組みを整備した。また、スイス企業・世界最大のユニットロードデバイス(ULD)アウトソーシングプロバイダーUnilode Aviation Solutions(注3)と連携し、軽量でデジタル追跡に対応したパレット(ULD)を導入。リアルタイム監視や在庫最適化により、通常時はもちろん不規則運航時の復旧力も高める。地上ではSATS Saudi Arabia Company(注4)と協力し、リヤド、ダンマーム、ジッダの主要空港で貨物ハンドリングとハブ管理を実施。専用取り扱いゾーンと集中型ハブマネジメントにより、リアルタイム監視とスムーズな接続を実現している。
リヤド航空は2030年までに100都市以上への就航を計画し、180機超の機材で運航を拡大する方針だ。また、サウジアラビアの非石油部門GDPへの約200億ドルの寄与、20万人以上の雇用創出が見込まれる。リヤド・カーゴは、この同社の成長計画を支える中核事業として、同国の世界的な航空・物流ハブ化に重要な役割を担うという。
(注1)リヤド航空が創業期から掲げる、同社の運航開始までの包括的な成長・品質向上プログラム。技術・運航基盤の整備、パイロット・クルー訓練の高度化など、正式就航を行うためのロードマップ。
(注2)ルクセンブルクを拠点とする航空貨物業界向けのITソリューション専門企業。
(注3)スイスを拠点とし、航空機で貨物や手荷物、郵便物を安全かつ効率的に運搬するために使用される専用のコンテナやパレット(ULD)の管理、整備分野を担う世界最大手。
(注4)シンガポールを拠点とする空港運営会社SATSのサウジアラビア現地法人。サウジアラビアの主要空港で航空貨物の受け取り、仕分け、保管をし、航空機に積み付け(搭載)・取り降ろしを行う一連のハンドリング業務を提供。
(林憲忠)
(サウジアラビア)
ビジネス短信 221e30d69b0927fe




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