アフリカ経済の魅力と課題を語るシンポジウムが開催

(モロッコ、ケニア、レソト)

調査部中東アフリカ課

2026年01月30日

一般社団法人日本モロッコ協会が主催する新春シンポジウム「アフリカ経済の魅力と課題」が1月27日、東京都内で開催された〔共催:在日モロッコ大使館、後援:日本外務省、国際協力機構(JICA)、国連工業開発機関(UNIDO)、アフリカ協会、ジェトロ〕。本シンポジウムは今回で11回目の開催となり、日本の商社や自動車部品メーカーなど約40社が参加した。

世界銀行グループで民間投融資を行う国際金融公社(IFC)とモロッコの最大手民間金融機関のアティジャリワファ銀行(2023年1月28日記事参照)が基調講演を行い、アフリカ各国政府が海外からの投資において自国での雇用創出を非常に重視するようになっていることなどを語った。

その後、モロッコ、ケニア、レソト3カ国の駐日大使による座談会が行われた。各国から紹介のあった魅力や課題、日本企業との連携の可能性は次のとおり。

写真 座談会の様子(日本モロッコ協会提供)

座談会の様子(日本モロッコ協会提供)

〇モロッコ:ラシャッド・ブフラル大使

  • 地域のハブとなる大規模病院を整備中だが(2025年11月10日記事参照)、医療専門家の不足や施設の地域格差、医療機器・医薬品の輸入への依存、DX化といった課題を抱えている。
  • 日本企業の商機として、画像処理やロボティクス、モニタリングなどの分野での先進的な医療機器の納入、遠隔医療・人工知能(AI)診療の技術輸出、医療従事者へのトレーニング提供などが挙げられる。
  • 最近の医療分野での投資の好例として、中和機工によって医療廃棄物処理のための無煙焼却炉が複数の公立病院に設置された。
  • 2022年に新投資憲章が制定され、投資額に対して最大30%の補助金が支給されるようになった。日本との間に投資協定、租税条約も存在し、投資環境は整備されている。

〇ケニア:モイ・レモシラ大使

  • アフリカ大陸における地域的ハブであり、モンバサ港をはじめとするインフラへの日本企業からの投資に今後も期待している。
  • 特に技術分野で高い教育を受けた優秀な人材が多く、域内貿易が原則無税となる東アフリカ共同体(EAC)のメンバーでもあり、市場だけでなく製造拠点になりうる。

〇レソト:レツェディスィツォエ・テコ大使

  • 水資源に恵まれており、再生可能エネルギーによる近隣国への電力輸出を目指す。レソトを横断し、南アフリカ共和国のブルームフォンテーンとダーバンを直接連結する高速道路の整備による連結性向上にも注力。
  • まだ日本企業の進出はないが、日本とは査証免除協定があり、まずは観光からでも訪れてほしい。

(波多野瞭平)

(モロッコ、ケニア、レソト)

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