2025年のGDP成長率は8.02%、1人当たりGDPは5,000ドル突破
(ベトナム)
ハノイ発
2026年01月08日
ベトナム統計局は1月5日、2025年の実質GDP成長率(推計値)を前年比8.02%と発表した。2011~2025年の15年間で、2022年に次いで高い成長率を記録した。第1四半期(1~3月)に比べて3四半期連続で伸び率が加速し、第4四半期(10~12月)は前年同期比8.46%だった(添付資料表参照)。1人当たりGDPは5,026ドル(前年より326ドル増)相当と推定され、初めて5,000ドルを上回った。
通年の産業別の成長率は、農林水産業が3.78%、鉱工業・建設業が8.95%、サービス業が8.62%だった。農林水産業は、中部の台風・洪水被害など自然災害の影響を受けながらも、安定した水準を維持した。鉱工業・建設業のうち、製造業の成長率は9.97%だった。米国の相互関税導入の影響などによる生産や輸出の減速も懸念されたが、米国の調査会社S&Pグローバルによるベトナムの製造業購買担当者景気指数(PMI、注)は7月以降、節目となる50を上回る水準を維持した。2025年の輸出額は前年比17%増の4,750億ドルと大きく伸びた。サービス業は、業務サービス、文化・レジャー、運輸・倉庫、ホテル・飲食の成長率が10%を上回った。
2025年の四半期別の成長率は、第1四半期(1~3月)7.05%、第2四半期(4~6月)8.16%、第3四半期(7~9月)8.25%、第4四半期(10~12月)8.46%となった。第4四半期の成長率を産業別にみると、農林水産業が3.70%、鉱工業・建設業が9.73%、サービス業が8.82%だった。
2026年は10%成長を目指す
ベトナムは2026~2030年にGDP成長率10%以上を目指す方針を掲げており、国会は2026年の目標を10%以上と定めた(2025年11月25日記事参照)。10%成長の実現に向け、ファム・ミン・チン首相は行政改革や地方分権、イノベーションの推進、重要インフラプロジェクトの開発への注力などを呼びかけている。
現地報道によると、アジア開発銀行のカントリーディレクターのシャンタヌ・チャクラボルティ氏は、短期的には公共投資が成長を後押しするものの、プロジェクトの精査と迅速な実行による投資効果の最大化と財政の健全性の確保が成否を左右する、と指摘。成長持続可能な経済成長には、事業環境の改善や規制の透明性の確保、労働生産性の向上なども重要になると述べた(1月1日付「ベトナム・プラス」)。
(注)製造業の購買責任者を対象に、生産高や新規受注、在庫水準、雇用状況、価格などの状況を評価する指数。0から100の間で変動し、50を超えると「前月比で改善や増加」、50未満は「前月比で悪化や減少」を表す。
(萩原遼太朗)
(ベトナム)
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