アルジェリアの貿易収支、2025年上半期は赤字

(アルジェリア)

パリ発

2025年12月15日

アルジェリア国立統計局(ONS)は、同国の2025年上半期貿易動向に関する報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。

2025年上半期の輸入額(サービスを除く)は3兆7,670億アルジェリア・ディナール(約4兆4,682億円、AD、1AD=約1.18円)となり、前年同期比24.8%増を記録した。

一方、輸出額(サービスを除く)は3兆556億ADにとどまり、8.5%減少した。この結果、同期間の貿易収支は7,114億ADの赤字となり、2024年下半期に続き赤字となった(添付資料図1参照)。

国連標準国際貿易分類(SITC)別の輸入実績によれば、輸入額は全品目において前年同期比で増加している(添付資料図2、表1参照)。2025年上半期は、「機械類および輸送機器」が約33.0%増、「食料品および生きた動物」が5.5%増となり、この2品目で輸入額全体の50.4%を占めた。その他の主要輸入品目では「鉱物性燃料、潤滑油および関連製品」(前年同期比2.7倍)、「加工製品」(31.7%増)、「動植物由来の油脂およびろう」(31.5%増)がいずれも30%を超える高い増加率だった。

2025年上半期における輸出額の減少は、主としてGDPの17%、輸出総額の約9割を占める天然ガスや石油などの炭化水素部門の不調に起因している(2025年12月3日記事参照)。同部門の輸出額は2025年上半期に2兆7,790億ADと、輸出額全体の90.9%を占めた。一方で、炭化水素の国内需要増加と生産量の縮小に伴う輸出量の減少、さらに世界市場における原油価格下落を背景に、同部門の輸出は2023年下半期以降、減少傾向にあり、当期もその傾向が継続した。同部門の輸出価格は前年同期比で8.2%低下し、数量も同2.1%減少した(添付資料図3、表2参照)。

なお、非炭化水素輸出は数量で前年同期比8.6%増、価格で3.0%増となり、総額では11.8%の増加になった。内訳をみると、セメントの原料となるクリンカーや肥料などの「化学製品および関連製品」が1,358億ADで、非炭化水素部門の輸出額の48%を占めた。また、鉄筋などの「加工製品、その他の加工製品」は1,033億ADで同部門の37%を占めた。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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