アブダビで中東初のスタジオジブリ展を2026年に開催予定

アラブ首長国連邦（UAE）のアブダビ首長国で「The World of Studio Ghibli Exhibition（スタジオジブリの世界展）」が2026年5月30日～8月20日に開催されることを2025年12月4日、現地複数メディアが報じた。同首長国の文化施設「Manarat Al Saadiyat」で開催予定の同展は、スタジオジブリの世界を体験できる大型イベントになるという。会場は16のセットで構成され、「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「魔女の宅急便」などの作品を再現する。雨の中でトトロがバスを待つシーンや、カオナシと電車に乗る体験、ハウルの城内部に入れるセットなど、作品の世界と観客が一体化できる工夫を行うという。小道具やアート作品も細部まで再現される予定だ。一部の現地報道によると、会場は完全屋内型で全セットを鑑賞する所要時間は60～90分とされている。運営主体は、スペインのイベント企業で没入型エンターテインメントの運営に実績のあるFeverと、UAEのドバイに本社を置くイベントマネジメント会社Theory Eleven Entertainmentが担う。後援にアブダビ文化観光局、パートナーに政府系ディベロッパーのMiralが入る。入場券は、2025年12月9日（現地時間）に販売開始され、公式サイトで購入できる。

主催者のFeverによると、過去に中東で公式のジブリイベントを開催したことはなく、今回のイベントが中東初となる。UAEにおいては、スタジオジブリ作品の人気が非常に高く、アニメイベントでの各種グッズ販売や映画上映なども定期的に行われている。UAEのシャルジャ首長国で開催されたアニメイベントでは、元スタジオジブリのアニメーターが招聘（しょうへい）され、ジブリのアニメ制作について講義を行ったところ、大勢の若者が殺到した（2025年10月21日付地域・分析レポート参照）。

アブダビ政府は文化・芸術イベントを通じて観光誘致を強化しており、今回、国際的に知名度の高いスタジオジブリ作品の大型イベントを誘致した。

（吉村優美子）