サウジのNAVAがCEERと戦略的協定を締結、EV製造技術ディプロマプログラムを開始

(サウジアラビア)

リヤド発

2025年12月04日

サウジアラビアの国立自動車・車両アカデミー(NAVA)は11月30日、サウジアラビア首都リヤドで開催された国連工業開発機関(UNIDO)第21回総会において、同国初の電気自動車(EV)ブランド「CEER」(2022年11月7日記事参照)と戦略的協定を締結し、自動車製造技術の中級ディプロマ(卒業認定)プログラムを開始すると発表した〔11月30日付サウジアラビア国営通信(SPA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕。

NAVA(注)は、サウジアラビアにおけるEV分野の技術教育と職業訓練を通じ、国内人材の育成と将来のEV産業に貢献できる専門家の輩出に取り組んでいる。NAVAアカデミーのマネージング・ディレクター、モハメッド・アル・スハイム氏は、「NAVAは、サウジアラビアにおけるEV分野の発展に積極的に貢献するパートナーであることを誇りに思う。私たちの役割は研修プログラムの提供にとどまらず、CEERのような国内主要企業における質の高い雇用機会へサウジアラビアの若者を導くことにまで及び、現代産業における国内人材の存在感を高めている」と述べた。

また、CEERのジェームズ・デルーカ最高経営責任者(CEO)は、「サウジアラビアの自動車産業を活性化させるという私たちの使命の一環として、国内の優秀な人材の育成はイノベーションと成長の重要な原動力であると考えている。NAVAの創設パートナーとして、私たちはサウジアラビアの技術者が、国内自動車産業の未来を担うために必要な知識とスキルを身につけられるよう尽力していく」と述べた。

本パートナーシップは、今後数年間で300人のサウジアラビア人研修生を育成・資格認定することで、同国の自動車産業の発展と、EV製造における国内能力の強化を目指す。11月30日付SPAによると、この取り組みは「産業の現地化を促進し、国内生産性を向上させるとともに、競争力のある国内産業の育成を掲げる『ビジョン2030』の目標に沿って、同分野を牽引する次世代のサウジアラビア人材育成に貢献する」という。

(注)NAVAへの入学者はサウジアラビア国籍者のみ。卒業後はLucid、CEERなどの提携企業と条件付き雇用契約を締結。卒業後の就職が保証されている。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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