メキシコ、国産スパコンの建設計画を発表

(メキシコ)

メキシコ発

2025年12月01日

メキシコ大統領府は11月19日付のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、メキシコ製のスーパーコンピュータを建設する計画に2026年1月から取り組むと発表した。メキシコは「プラン・メキシコ」(2025年1月17日記事参照)において、科学技術とイノベーションの発展を強化する方針を示している。その一環として今回、バルセロナスーパーコンピュータセンターの協力を得ながら、中南米最大となるスーパーコンピュータの建設を目指している。また、同スーパーコンピュータを活用し、今後、次のようなプロジェクト実施を検討している。

  • 災害予防のための気候モデルと水文気象現象の分析を行い、大規模警報システムと連携させる。
  • 税関申告書や税関収入に関するデータを処理して情報を分析し、リスクモデルを定義するとともに、汚職行為を防止する。
  • 田畑などの画像を処理し、計画的な作物栽培、収穫量の向上、食糧管理の改善に役立てる。
  • 人工知能(AI)を用いた自然言語モデルを構築し、仮想アシスタントとして活用する。

州政府・民間レベルでの関連投資も目立つ

直近、スーパーコンピュータに関連した州政府や民間レベルでのメキシコ国内での投資案件が目立っている。例えば、ヌエボレオン州は2025年11月に同州にAIデータセンターの設置を発表し、建設を2026年に開始、2030年までに段階的に開発を進めていく予定としている(2025年11月20日記事参照)。また、タムラ製作所も、北米における生成AIの広がりなどからデータセンター内の電源システム向けに、大型トランス・リアクターの生産能力を拡大するべく、2025年10月にメキシコ工場への追加投資を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

メキシコデータセンター協会のアメット・ノビージョ会長は、「現状、メキシコ中部と北部でデータセンター関連の投資が多いが、今後、南東部でも拡大していくだろう」と述べている(「エル・エコノミスタ」紙11月17日)。

(原大智)

(メキシコ)

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