ペルーとボリビア、非合法鉱業の合法化措置期限を相次いで延長へ
(ペルー、ボリビア)
リマ発
2025年12月24日
ペルー政府とボリビア政府は、非合法鉱業事業者の合法化を促進する措置の期限をそれぞれ延長することを決定した。
ペルー議会は12月17日、鉱業合法化統合登録(REINFO)制度の期限を2026年12月まで延長する法案を可決した。これまでは2025年12月末までだった(2025年7月1日記事参照)。ホセ・ヘリ大統領は延長を容認する姿勢のため、事実上、延長が確定した。
一部の政党や議員は非合法鉱業関係者からヤミ献金を受けているとの現地報道があるなか、ペルーでは2026年4月に総選挙が予定されており、選挙活動資金ニーズが高まる時期にある。非合法鉱業関係者が選挙に立候補する可能性も指摘されている。ヘリ政権は2026年7月までの暫定政権のため(2025年10月14日記事参照)、政治的に重要な判断は行いにくい状況にある。
REINFOはペドロ・パブロ・クチンスキー政権時代の2016年12月に、国家の緊急課題である零細規模・手工芸的鉱業事業者の合法化を進めるため3年間の時限措置として始まり、その後、延長が繰り返されている。
一方、ボリビアでは鉱業冶金(やきん)省が、12月19日、鉱山協同組合合法化計画に基づく国と各協同組合との管理契約の有効期限を18カ月延長することを発表した。管理契約を締結した協同組合の事業者は、合法化することを前提に、合法化する前から活動できる。
各地域の協同組合をとりまとめるボリビア全国鉱山協同組合(FENCOMI)のリチャルド・カリカリ理事長は「期限延長は政府と協同組合による共同作業の成果であり、組合組織の合法化に向けた約束の実現と組織強化につながる」と評価した。
金など鉱物資源の国際価格上昇を背景にペルー、ボリビアともに違法な形態の鉱業事業者が後を絶たず、歳入確保、法に基づく雇用、環境保全などさまざまな面で課題がある。両国で延長された措置が事業者の合法化に向け実効的に運用されるか注目される。
(石田達也)
(ペルー、ボリビア)
ビジネス短信 9a1aafaa11832219




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