タイ、社会保険料算定の基礎となる月額賃金の上限引き上げ

(タイ)

バンコク発

2025年12月25日

タイ政府は、2025年12月12日付の官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)において、社会保障法の規定に基づき、社会保険料算定の基礎となる月額賃金の上限を引き上げる省令を公布し、2026年1月1日から施行する。

本改正は、社会保障の被保険者への給付増額を図るため、社会保険料算定の基礎となる月額賃金の下限と上限を、現在の経済情勢に見合った水準に調整することを目的として実施される。

現在の月額賃金の下限と上限は、下限:1,650バーツ(約8,250円、1バーツ=約5円)、上限:1万5,000バーツとなっており、官報によると、月額賃金の上限の引き上げは、3段階に分けて実施される。内容は次のとおり。

  • 第1段階(2026年1月1日から2028年12月31日まで):下限1,650バーツ、上限1万7,500バーツ
  • 第2段階(2029年1月1日から2031年12月31日まで):下限1,650バーツ、上限2万バーツ
  • 第3段階(2032年1月1日以降):下限1,650バーツ、上限2万3,000バーツ

なお、社会保険料算定のための保険料率は、現行の5%が維持されており、月額賃金の上限引き上げにより、保険料が現行の750バーツから、それぞれ875バーツ(第1段階)、1,000バーツ(第2段階)、1,150バーツ(第3段階)となる予定。

(野田芳美)

(タイ)

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