BOIはグローバル・ミニマム課税の影響緩和のため新たな優遇措置を準備

(タイ)

バンコク発

2025年12月03日

タイ投資委員会(BOI)は11月12日、経済協力開発機構(OECD)のグローバル・ミニマム課税(Global Minimum Tax :GMT)による多国籍企業への影響を緩和するため、新しい優遇措置「税額控除(Qualified Refundable Tax Credit:QRTC)」の準備を進めていると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、既存の免税、減税の税制優遇措置を継続することも確認した。

OECDは、グループ全体の収益が、年間7億5000万ユーロ〔約300億バーツ(約1,410億円、1バーツ=約4.7円)〕以上の多国籍企業に対し、法人税の実効税率(Effective Tax Rate: ETR)が、15パーセント以上でなければならないという基準を設定している。そして、ETRが当該基準を下回る場合には、投資を受け入れている国、または親会社が所在する国に、追加税を支払う必要がある。

政府の発表によると、タイでは、2025会計年度以降の収益に対してGMTの適用を開始する予定だ。BOIは、国家の重点産業における生産基盤を維持し、国の競争力を高め、経済成長に寄与する新規投資を誘致できるよう、「ターゲット産業国家競争力強化法(2017)」を改正し、税額控除という新しい優遇措置を導入するプロセスを進めている。税額控除措置は、研究開発、高度人材育成、基準の向上、生産性の改善など、国の競争力向上に貢献する投資や支出を税額控除の計算に用いることができ、財務省が指定する様々な種類の税金の支払いに適用することが可能とされている。

(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ)

(タイ)

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