アルジェリア法定最低賃金、2026年1月から20%引き上げ

(アルジェリア)

パリ発

2025年12月11日

アルジェリア政府は11月30日の閣僚会議で、法定最低賃金である「全国最低保証賃金」(SNMG)を週40時間労働で月額2万4,000アルジェリア・ディナール(約2万8,500円、AD、1AD=約1.18円)、時給138.46ADに改定した。引き上げは2026年1月1日から適用される(11月30日付アルジェリア大統領官邸プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

法定最低賃金は2021年6月から2万ADに設定され(2021年5月7日記事参照)、今回は約4年ぶりの改定で、20%引き上げとなった。IMFによると、インフレ率は2022年に9.3%、2023年に同じく9.3%、2024年に4%で、2025年は3.5%と予測されている中、現地報道では、この引き上げは低所得世帯と「全国最低保証賃金」に連動する年金受給者の購買力の向上を目指すもの、と伝えている。

政府は同閣僚会議で、失業手当を1万5,000ADから1万8,000ADに増額することを併せて決定した。同手当は2022年2月10日付「22‐70号政令」によって2022年に導入され、失業者は初回求職者として国家雇用庁(ANEM)に登録する必要がある。また、アルジェリア国籍を有すること、アルジェリア国内に居住していること、年齢が19歳から40歳までの範囲であることなど、複数の条件を満たす必要がある。現地メディア報道では、支給期間の上限については、従前は明確な規定が設けられていなかったが、今回から原則1年間と定められ、更新を認める旨が規定されたとしている。更新の条件は後日、官報に記載される政令で公表される予定だ。

アルジェリアの失業率は2024年に12%と推定され、15~24歳では29.3%に達する見込の中、失業手当は失業中の若年層に一時的なセーフティネットを提供している(12月1日付「エル・ワタン」紙)。2025年10月の時点では、失業手当受給者は約44万人だった。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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