経済状況の悪化を52%が実感、MAGAのトランプ米大統領支持率低下、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年12月18日
米国の11月の雇用統計では、引き続き雇用市場の減速傾向を示す結果となった(2025年12月18日記事参照)。最近の世論調査では、米国の経済状況が悪化していると52%が回答した。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは12月16日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表
した。それによれば、回答者の52%が経済状況が「悪化している」と回答した。8月中旬以降、過半が「悪化している」と回答する傾向が続いている。「変化なし」は22%、「好転している」は20%だった。
今後1年間の個人の財政状況の見通しについては、「改善する」が28%と、「悪化する」(22%)を上回った。
ドナルド・トランプ大統領が3期目を務めるべきかについては、「務めるべき」が14%で、大多数(75%)は「務めるべきでない」と回答した。支持政党別にみると、民主党支持者の95%、無党派層の77%、共和党支持者でも過半(55%)が「務めるべきでない」としている。
MAGAのトランプ氏支持率が低下
NBCニュースが11~12月に実施した世論調査
(注2)によれば、トランプ氏の支持率は42%で4月の調査時(45%)より3ポイント低下した。共和党支持者の中でも、MAGA(トランプ氏支持者、注3)と自認する人々の同氏への支持率は70%だったが、これも4月(78%)からは8ポイント低下した。
また、最近の経済状況の結果、55%が「生活必需品購入のため、娯楽やイベントへの支出を削減した」、53%が「予算内に収めるため食料品の購入内容を変える必要があった」、43%が「クリスマスや感謝祭の支出を削減せざるを得なかった」と回答した。年間所得が5万ドル未満の回答者に限れば、それぞれ64%、65%、52%とさらに高くなる。
ここ数週間、トランプ氏とMAGAアジェンダの支持基盤の一部は、トランプ氏が外交問題に重点を置きすぎていること、解決を約束した生活費問題に取り組まなかったことなどを批判しているという。経済的な懸念が、2026年の中間選挙の重要な勢力である無党派層のトランプ氏への支持を危うくする可能性も指摘されている(「ワシントン・ポスト」紙12月14日)。
(注1)実施時期は2025年12月12~15日。対象者は全米の成人1,632人。
(注2)実施時期は2025年11月20日~12月8日。対象者は全米の成人2万252人。
(注3)「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」の略称で、もともとトランプ氏の選挙キャンペーンのスローガンだが、トランプ氏の支持者を表現する際にも用いられる。
(松岡智恵子)
(米国)
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