ベトナムのEC市場規模、2030年にASEAN第2位の見通し

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年12月11日

米国グーグル、シンガポール政府系投資会社テマセクなどが作成する東南アジアのデジタル経済の動向をまとめた報告書「e-Conomy SEA 2025」(2025年11月17日記事参照)について、ASEAN主要6カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン)の国別編の報告書が順次公開された。同報告書によると、2025年のベトナムのECの流通取引総額(GMV)は、前年比17%増の250億ドルとなり、インドネシア(710億ドル)、タイ(330億ドル)に次ぐ第3位の規模に達する見通しを示した(添付資料表参照)。2030年にはベトナムのGMVは610億ドルに成長する見込みで、タイ(590億ドル)を抜き、インドネシア(1,400億ドル)に次ぐASEAN第2位の市場規模となる見通しだ。

ベトナムでは、ビデオコマース市場の成長が顕著で、販売者数(Sellers and Stores)は前年比60%増の65万店。取引件数も同じく前年比60%増の13億件となっている。販売のカテゴリーでは、ファッション・アクセサリーが最も多い31%を占め、続いて美容・パーソナルケアが22%と、これら2つの分野で全体の半数を占める。

電子ウォレットアカウントの稼働件数が3,000万件に

ベトナムの報告書では、電子決済については、店舗側による非現金決済の採用増と、電子ウォレットアカウントの稼働件数が3,000万件に達したことで、ベトナム国内の共通QR決済である「VietQR」決済が2024年に急増。ベトナム政府が掲げる2030年までにEC取引の80%を非現金決済とする目標に近づいていると述べている。また、ベトナムのQR決済は、タイおよびカンボジアのシステムと完全に相互運用が可能となり、国境を越えた経済フローと観光の新たな可能性についても触れている。

(三木貴博、キム・フオン)

(ベトナム)

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