ペルー総選挙、初のデジタル投票実施は見送り

(ペルー)

リマ発

2025年12月26日

ペルーの全国選挙管理委員会(ONPE)は12月24日、2026年4月に実施される総選挙(2025年12月25日記事参照)で一部の有権者を対象に導入準備を進めていたデジタル投票の実施を見送ると発表した。

デジタル投票制度は、国家安全業務(国軍、国家警察、入国審査官、消防など)や医療従事者、海外で投票可能な在外公館から離れた場所に住む有権者などに投票しやすい環境を提供するため、パソコン、スマートフォン、その他の電子端末から投票を可能とする仕組みだ。これまで実施されたことはないため、ONPEは今回の実施を実証事業と位置付け、任意で協力可能な有識者を募った。その結果、9,983人が登録され、そのうち6,743人が国軍と国家警察の職員で、1,447人が海外在住の有権者だった。

並行して独立機関のペルー選挙審議会(JNE)では、技術的な面から実証事業の有効性を検証していた。JNEデジタル投票監査局は2025年12月19日、検証の結果、安全面から実証事業の実施は好ましくないとの見方を発表した。その理由として、技術的インフラの未整備、サイバー攻撃などのリスク、システム構築と構成、アプリ動作の問題などを挙げた。

JNEの検証結果を踏まえ、実証事業の実施見送りを決めたONPEのカティウスカ・バレンシア委員長室顧問は地元のプレスに対し、デジタル投票の実施は見送るが、投票日に勤務する軍や警察の関係者は居住地から離れた投票所でも投票できるようにするなど配慮したいと柔軟に対応する姿勢を示した。

(石田達也)

(ペルー)

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