EBRD、トルコへ新たに1億7,200万ユーロの融資を決定、累計投融資額は233億ユーロ超に
(トルコ)
イスタンブール発
2025年12月26日
欧州復興開発銀行(EBRD)は12月22日、トルコの風力発電プロジェクト支援のため、トルコ財閥系民間電力会社エネルジサに1億7,200万ユーロを融資すると発表した。今回の融資は、同社のトルコ南西部およびエーゲ海地方ムーラ県の250メガワット(MW)の風力発電所建設の支援を目的としている。
トルコは、EBRDの最大の融資相手国だ。2009年から現在まで累計で510のプロジェクト、233億5,100万ユーロ以上の投融資を行っている。近年では、トルコの震災復興や北マルマラ高速道路計画(2024年10月30日記事参照)などの大型インフラ案件の支援を行っている。さらに、2025年12月15日には、トルコ経済銀行(TEB)と1億ユーロのグリーン融資契約や、気候変動対策、女性や若者の企業家支援など5件の大型融資案件を発表している。
EBRDトルコの関係者によると、トルコにおいて、主に産業部門、サステナブル・インフラストラクチャー部門(エネルギー、物流、市役所など公的機関を含む)、金融機関向けの融資を扱っており、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関係するトルコのセクター(鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料など)への支援も行っている。また、EBRDのグリーン経済融資ファシリティ(GEFF)は、銀行の顧客がグリーンエネルギー関連の案件を実施する際に適用できる。ほかにも農業セクターにおいては、企業がグリーントランスフォーメーション(GX)対応をするために使う融資プログラムもある。トルコが最大融資相手国である理由は、融資対象国の中でもトルコが経済などさまざまな点で発展していること、それを支える製造業企業の規模が大きいこと、トルコの産業家が国内外のビジネスの潮流や変化を機敏で即座に需要に対応できることなどが挙げられるという。
2026年の国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議(COP31)がトルコで開催されることに向け(2025年11月28日記事参照)、同国に対する海外機関からのさまざまなアプローチが注目されている。
(井口南)
(トルコ)
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