ナイジェリアで劇場版「呪術廻戦」が公開

(ナイジェリア)

ラゴス発

2025年12月23日

『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』(以下、「劇場版呪術廻戦」)が12月5日、ナイジェリアで上映を開始した。公開に合わせ、同国でオタクコミュニティを主宰する「アニウィ・コンベンション(AniWe Convention)」は、映画製作配給大手の「フィルムワン・エンターテインメント(FilmOne Entertainment)」と共同で、鑑賞イベントを開催した。コスプレーヤーをはじめ多くのアニメファンが集まり、会場は熱気に包まれた。主催者によると、イベントは全国7カ所で同時開催され、参加者は1,000人を超えたという。

ナイジェリアやガーナなどの一部の西アフリカ諸国では、FilmOne Entertainmentの配給で9月に『劇場版鬼滅の刃』の公開を皮切りに、『劇場版チェーンソーマン』などの日本の最新アニメの商業上映が始まっている(2025年9月26日記事参照)。同社によれば、『劇場版鬼滅の刃』は公開初週に8,200万ナイラ(約882万円、1ナイラ=約0.1075円)の売り上げを記録した。前売り販売額は同社史上最大を達成したという(金額不明)。FilmOneの発表では、西アフリカで史上最高の興行収入を上げたアニメ作品となった。

AniWe Conventionの最高経営責任者(CEO)であるオモタンワ・バデボ氏は、日本のアニメ映画が劇場公開されるようになったことで、新作をいち早く鑑賞し、ファン同士で語り合う機会が増え、コミュニティ意識が一段と強まっている、と話す。そのうえで、アニメ鑑賞は単なる娯楽にとどまらず、「社会的・文化的な体験へ変化している」とも指摘した。人気ジャンルとしては少年アニメを挙げ、特にアクションや忍耐、友情を軸にした物語がナイジェリアの観客に強く響いているという。一方で、異世界アニメといった幅広いジャンルへの関心も高まりつつあり、ファン層がより多様で成熟しているとの見方も示した。

写真 公開初日に映画を見ようと会場に集まったファンら(ジェトロ撮影)

公開初日に映画を見ようと会場に集まったファンら(ジェトロ撮影)

写真 映画鑑賞終了直後の会場にはコスプレーヤーの姿も見られた(ジェトロ撮影)

映画鑑賞終了直後の会場にはコスプレーヤーの姿も見られた(ジェトロ撮影)

(柴田北斗)

(ナイジェリア)

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