ガーナで劇場版最新「鬼滅の刃」上映

(ガーナ、日本、ナイジェリア、リベリア、アフリカ)

アクラ発

2025年09月26日

「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来」(以下、「劇場版鬼滅の刃」)が9月12日、ガーナで上映開始した。日本映画がガーナの映画館で商業上映されるのは初めてで、上映初日にはキャラクターのコスプレをした観客も訪れ、上映中には歓声やため息が漏れるなど、熱気に包まれて盛況だった。

ジェトロは9月23日、ガーナ、リベリア、ナイジェリアで「劇場版鬼滅の刃」の配給権を持つ映画配給会社FilmOne Entertainmentのアカウントマネジャーのメアリー・オバシ・ウクパ氏に話を聞いた。

(問)FilmOne Entertainmentの概要は。

(答)FilmOne Entertainmentは、ソニー、ディズニー、ネットフリックス(Netflix)、クランチロール(Crunchyroll)といった国際的スタジオと提携し、西アフリカ英語圏、ナイジェリア、ガーナ、リベリアの映画館にコンテンツを供給している。ナイジェリアのラゴスに本社を構えている。

(問)「劇場版鬼滅の刃」劇場公開の状況は。

(答)ガーナでは3館、リベリアでは1館で上映している。日本語オリジナル音声に英語字幕を付けて上映し、上映期間は1カ月を予定している。公開前から地元アニメファンコミュニティーでは大きな反響があった。日本のアニメコンテンツはストリーミング配信での視聴が主流で、映画館の数や設備が限られているにもかかわらず、日本アニメ市場は着実に成長している。特に若い世代の間で人気が高まっていると感じる。

(問)今後の日本アニメの映画の配給予定は。

(答)10月に劇場版「チェンソーマン レゼ篇」、2026年1月には「果てしなきスカーレット」の配給を予定している。

(問)西アフリカ英語圏の日本アニメ、映画市場は。

(答)日本アニメは西アフリカで主流のエンターテインメントカテゴリーとなる可能性を秘めている。ただ、現状ではアフリカは他の地域に比べて、アニメスタジオによるエコシステム形成支援やマーケティング活動は積極的ではない。われわれのような配給会社がアフリカのスクリーンに日本アニメコンテンツを継続的に届け続けることで、日本アニメ、日本ポップカルチャーへの関心と理解がさらに深まると考えている。

(中川翼)

(ガーナ、日本、ナイジェリア、リベリア、アフリカ)

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