サウジアラビア政府、2026年国家予算を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2025年12月12日

サウジアラビア政府は12月2日、総額1兆3,128億リヤル(約53兆8,248億円、1リヤル=約41円)の歳出規模の2026年国家予算PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。9月末に発表した2026年予算編成案で発表した歳出額からは2億リヤル減、歳入額は4億リヤル増へそれぞれ修正した(2025年10月7日記事参照)。

同発表によると、2026年の歳入は2025年予算編成時比3.1%減、2025年歳入実績見込み比5.1%増の1兆1,474億リヤルとなった。2026年の歳出は2025年予算編成時比2.2%増、2025年歳出実績見込み比1.7%減の1兆3,128億リヤルとした(添付資料表1参照)。

2026年の歳出を支出項目別にみると、最大の歳出項目は「医療・社会開発」の2,590億リヤル(2025年歳出実績見込み比3.7%減)だった。これに「軍事」の2,400億リヤル(同0.4%増)、国際機関への拠出などが含まれる「一般項目」の2,360億リヤル(同0.9%増)、「教育」の2,020億リヤル(同1.5%増)が続く(添付資料表2参照)。

現地英字紙「アラブ・ニュース」(12月2日付)によると、ムハンマド・ビン・アブドゥッラー・アール・ジャドアーン財務相は、「サウジアラビア政府は、支出効率の向上、基本的サービスの質の強化、そして『サウジ・ビジョン2030』の目標に沿ったギガプロジェクトや優先国家戦略の推進に引き続き注力している。これらの取り組みには、(1)インフラの継続的な整備、(2)生活の質の改善、(3)国民・居住者・訪問者向け公共サービスの強化が含まれる」と述べた。また、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相は、2026年国家予算は「国民の福祉を政府の最優先事項の中心に据えるというサウジアラビアのコミットメントを再確認するものだ」と述べた。特に「サウジ・ビジョン2030」を推進する開発・社会的イニシアチブを含む予算に盛り込まれたプログラムやプロジェクトを積極的に実施するよう閣僚や関係者に指示し、国民とそのサービスが依然として最優先であることを強調した。

(平田若菜)

(サウジアラビア)

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